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ワンダーボーイ アーシャ・イン・モンスターワールド 【わんだーぼーい あーしゃ・いん・もんすたーわーるど】 ジャンル アクション 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4Windows(Steam) 発売元 スタジオアートディンクG CHOICE 開発元 MONKEYCRAFT 発売日 Switch/PS4 2021年4月22日 Win 2021年6月29日 定価(税別) Switch パッケージ通常版 3,980円スペシャルパック 5,980円ダウンロード版 3,480円 PS4/Steam ダウンロード版 3,480円 プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 備考 パッケージ版はSwitch版限定 判定 良作 ポイント オリジナルに忠実なリメイク問題点も微改修忠実故の物足りなさ ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズリンク 概要 変更・追加点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 1994年にメガドライブ用ソフトとして発売されたワンダーボーイシリーズの一作『モンスターワールドIV』のリメイク作。 当時製作していたウエストンはすでに解散しているが、オリジナル版の制作に携わっていたスタッフが再集結することで実現した。 なお、タイトルがややこしいが、原作ではシリーズとしては初の女性主人公が採用されたが故にタイトルから「ワンダーボーイ」が外れていたのだが、 本リメイク版ではシリーズ作品であることを明確にしたかったのかワンダーボーイと銘打たれているものの、オリジナル版同様主人公であるアーシャは女性である。 変更・追加点 オリジナルスタッフを集めて原作を忠実にリメイクした、と公式で謳っているが、若干の変更点もあるため原作とリメイクで変更した点を記述する。 グリーンが原作 、 ネイビーがリメイク の内容を表している。 武装のグラフィックの変化がなかった上に、ドット絵で描く都合からかアーシャの服装がデザイン画と違う → 全て別のデザインになりグラフィックにも反映されるようになった、アーシャも設定画通りの衣装になっている また、オリジナル版だと体力強化装備が「鎧」だったが本作では「腕輪」になっている(効果自体はオリジナル版と同じ)。 理由は不明だがアーシャは明らかに鎧を着ていないためと思われる。 セーブ仙人の前でしかセーブできず、セーブファイルも2つまで → ほぼ全ての場所でセーブでき、セーブファイルが12個に 各地にいたセーブ仙人自体はヒント役としてちゃんと残っている。 攻撃を4回当てると5回目のヒットが威力2倍のマジカルヒットになる → 攻撃をN回当てると攻撃力がMプラスされるマジカルヒットを任意で使用可能になる(NとMの数値は剣によって異なる) 原作の剣は攻撃力の数値が違うだけで上位が出たら買い換えるしかなかったが、この仕様によりマジカルヒットの出しやすさや期待値で剣を選択する余地が生まれた。溜まったマジカルヒットをいつ使うか選べるようにもなっている。 一度クリアしたダンジョンには入れない → メダルを入手して入る4つのダンジョンに限り再度探索できるようになった ただし後述の通り取り返しの付かない要素や入れなくなる場所(ゲーム開始~沈黙の塔まで)自体は残っている。 以下は本作独自の追加点となる。 モンスターワールドシリーズとしては何気に初めてキャラクターボイスが導入された。 主人公であるアーシャの声は声優のファイルーズあい氏が演じている…のだがそれに留まらず、ペペログゥやプラプリル王妃、果てにはモンスターの声までも担当しており、たった一人で30近い役を全て演じ分けている。 回復アイテムが出やすくなったイージーモードが追加された。 ゲーム内にはノーマルモードに関して「原作に近い難易度」と補足されているが、後述の仕様からノーマルであっても原作よりはかなり簡単になっている。 ボス戦で相手の残り体力が常時分かるようになった。 評価点 こだわりの原作再現 リメイク作で鬼門になりがちな元のゲーム性・シナリオを壊してしまうような追加要素はなく、公式が掲げる「手触り感はメガドライブ版のまま」というコンセプトに嘘偽りはない。 起動時のペペログゥがやってきてSEGAのロゴの色が変わったり、初めて到達したステージでは刺繍風の背景をバックに地名が出るなど原作で印象的だった演出がちゃんとそのままとなっている。 オリジナル版の有名な裏技である「所持金が777になると大金が手に入る」「デバッグの鎧」も本作ではしっかりと残されている(*1)。 モブキャラや小物もメガドラのドット絵を3Dに落とし込みつつ、情報量が少ないキャラやオブジェクトには装飾が足されるなど現行機で見ても見劣りしないように調整されている。 音楽はもちろん現行機相応の物にアレンジされているが、いずれも原曲から大きく印象が変わってしまわない程度に留められている。 メガドラ音源への切り替え機能も搭載しているのだが、その解禁方法が「原作でサウンドセレクトモードを出すための隠しコマンドを入力する」というもので、なかなか遊びが効いている。 一方良改変と言える箇所もある。 『モンスターワールドIV』と言えば真っ先に話題になるであろう「アーシャが宝箱を開ける時のモーション」がちゃんとそのまま…ではなくお尻の振り方が異なる複数のモーションが導入された。 また、アーシャが狭いパイプに入る時に頭から入ったのに出てくる時はお尻の方からという不自然な描写があったのだが、こちらはちゃんと修正されている。 オリジナル版は王妃の服装がシナリオ通して変化がなかった(ドット自体はオリジナル版も変わる)のだが、本作では衝撃的な姿に変化するようになり、その姿は大変好評。 グラフィックはドットから3Dになったが過度にリアルな物にせず、モンスターワールド「らしい」アニメ調の3Dになっている 原作では当然ながら二次元的な絵作りをしていたが、本作は立体的な視点を生かした演出になっている箇所もあり、ただ3Dになっただけでなく3Dになったことを効果的に活用できている。 親切になった点 原作はペペログゥを呼ぶのがAボタン、ジャンプがCボタンに割り振られていたためメガドラのコントローラーだと操作ミスすることがあったが、本作ではペペログゥを呼ぶのはRボタン、ジャンプはBボタンとなり操作難度が緩和された。 原作は回復アイテムをそれぞれ1個しか持てなかったが、本作では2個以上所持できるようになった。 原作ではセーブ仙人に話しかけた時しかセーブできなかったが、本作ではどこでもメニュー画面からセーブできるようになった。 上述の通りセーブスロットが12個に大増量されているため、あまりアクションに慣れていない人でもフル活用することでハートを残しつつ先に進みやすくなっている。 オリジナル版の賛否両論・問題点も「一部」改良されている 原作では序盤に「まずは鎧を用意する」(※実際はペペログゥを孵化させるのが正解)という嘘ヒントがあったのだが、本作では改善されペペログゥがいないと先に進めないことが分かりやすくなった。 オリジナル版のプレーヤーに「アーシャがペペログゥを雑に使ってる」とネタにされたことを受けてか、ペペログゥの特性に関する看板の文言が変更されている。 クリア済みのダンジョンに再侵入できるようになった。 このため取り逃した「命のしずく」を回収しにいけるようになった。ただし...(後述) 賛否両論点 ボスデザイン 各ダンジョンのボスは「複数の同じ物体がくっついた」シンプルなデザインとなっている。これが動きまくるのはオリジナル版発売当時は「プログラム的に難しい多関節を実現していてすごい」という評価を受けていたのだが… さすがに2021年ともなるとシンプルすぎてカッコよさや迫力という観点ではかなり微妙な物になっている。 なお限定パッケージ版の資料によると「デザイン変更も検討したのだが、最終的にオリジナル版を尊重した」とのこと。 一部のセリフが変更・追加されているのだがその中に「16bit」や「ゲーマー」などメタい単語が出てくるものがあるため、笑えたという意見もあれば世界観への没頭を阻害するという意見もあり、賛否両論となっている。 相対的に原作より格段にヌルくなっている 前述したオリジナルとの変更点の繰り返しになるが「 セーブポイントが限られている → ダンジョンの内部でも自由にセーブ&ロードが可能 」「 HPを完全回復する薬は一度に1つしか持てない → 最大9個まで持てるため意図的に稼ぎプレイをすれば実質的にはHPを5倍にしてダンジョンに挑める 」…と新しい仕様はこちらに有利になるものばかりなのに、敵の配置や難易度は旧仕様を想定したバランスのままなので、原作経験者はもちろん新規プレイヤーにとっても攻略は簡単になった。これならばハードモードが欲しかったところである。 問題点 キャラクターボイスは掛け声を発する場面とちゃんとしたセリフをしゃべる箇所の両方があるのだが、主人公であるアーシャはほぼセリフを発さずパートボイスのみになっている。 これ自体はキャラクターイメージの固定化を避けたい、いわゆる「しゃべらない主人公派」の人への配慮など事情があるのかもしれないが、ムービーシーンにおいて本来別の箇所用に収録した汎用ボイスを使いまわしているため演技が合っていないシーンがいくつか見受けられる。 見ていて違和感があるだけでなく、演じた声優に対しても不本意な流用で失礼である。 悪い意味でも原作そのままな箇所もある。 後半のダンジョンのいじわるさが漂うギミックに関しても忠実に再現している。 上記の通りすでに挑んだダンジョンの命のしずくも回収できるようになったのだが、ストーリー後半の展開も原作準拠のため終盤になると結局回収できない状況に陥ってしまう。 無いに等しい新要素 以上の通り追加ダンジョンやハードモード等の新要素が一切ないため、ゲームボリュームは90年代のアクションゲームそのままである。 初見でも7時間程度あればクリアできてしまうため、4000円近い価格設定でこれは現代の観点だとボリューム不足感もある。 唯一追加されたものと言えば「命のしずくを全て取ってクリアするとエンディングが変わる」(*2)ことだが、原作よりマシになったとはいえこちらでも「命のしずくを取らずにセーブするともうそのデータでは取れなくなる」という箇所はいくつもあるため攻略を見ないのならばメモを取って何度もやり直す覚悟で進めなければならない。 + そこまでやって達成した特殊エンディングの内容は…… エンディングでアーシャを歓迎してくれるモブNPCの数が増える。以上。 2つのエンディングの内容を動画に撮って見比べないとわからないくらいの細かい変化しか起きない。 大した変化がないことはそのエンディング中でネタにしているが、手間をかけてコンプリートした報酬としては微妙。 命のしずくについてもう1つ。ライフ最大値はしずく10コで1増える。しかし、MAXは旧作通り15コなので、コンプリートを目指す場合、150コ集めた時点で上限に達してしまい、あとの50コはただ集めるだけの飾りになってしまう。目指さない場合には、いくつか取り逃がしてもその先で集めてMAXにできるチャンスがあるという点では、助かるかもしれないが…。 総評 リメイク版を作って欲しいという要望の中でよく聞かれる「オリジナル版そのままに絵だけ綺麗にして欲しい」という要望を本当に実現したらこうなったというゲーム。 アーシャの可憐さはそのままに2Dアクション部分に関しても元の出来の良さもあって(やや難易度が低い部分はあるが)現代の観点で見ても十分合格点と言える。 ただ、せっかくオリジナル版スタッフが再集結というまたとない機会に出てきた物としては、「原作を生かした進化」よりも「そのまま」を選んでしまったことにいささか嬉しさよりも惜しさを感じる部分はある。 原作が遊びにくい状況ならば忠実さへの需要はより大きかったかもしれないが、過去に幾度か移植・配信されておりメガドライブミニにも収録されているため、ゲーム性のアレンジを加えないという方向性は「本作ならでは」というセールスポイントが結果的に弱くなってしまっている。 とはいえ、良リメイクの部類であることは間違いないので、当時オリジナル版を遊んだ思い入れのある人や、シリーズを知らずとも気軽に楽しめる2Dアクションゲームがやりたいという人ならば十分楽しめるだろう。
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このページでは『.cat』と、その関連作品である『.cat Milk』について記載しています。 『.cat』は クソゲー 判定、『Milk』は 不安定 判定となっています。 .cat 概要 ゲームルール 問題点 評価点 総評 .cat Milk 概要(Milk) ゲームルール(Milk) 問題点(Milk) 賛否両論点 評価点(Milk) 総評(Milk) 余談 .cat 【どっときゃっと】 ジャンル アクション 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売・開発元 Game Nacional 配信開始日 2021年5月13日 定価 499円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング IARC 3+ 備考 日本語非対応 判定 クソゲー ポイント 白猫が主人公の横スクロールアクションアクションゲームとしてのつまらなさエンディングの意味不明さ 概要 ブラジルのメーカーであるGame NacionalからリリースされたNintendo Switch専用ダウンロードソフト。 ジャンルは迷路的な構造の横スクロールアクション。主人公である白猫を操作し、謎の世界でゴーストを倒すという設定。 ゲームルール ゲームの流れ 白猫を操作して迷路構造のステージの数々を進んでいき、奥にいるボス(ゴースト)を倒せばオールクリア。 ステージのどこかに「ワープゲート」があり、そこから次のステージへと進める。ただしゲートによっては前のステージへと後戻りさせられる場合もある。 ステージ内には大量に敵が沸いており、ジャンプによる踏み付けで倒す事ができる(*1)。敵を無視しても先に進めるが、出現率が非常に高いため回避は困難。 所々に配置されているアイテム「宝石」を獲得するとストックされるが、何の効果があるのかは不明(*2)。 ステージ内には頻繁に「チェックポイント」が出現し、敵やトラップの接触、及び落とし穴転落のミスをするとそこからの再開ができる。 再開後も敵や宝石等の状態はそのまま。再開回数は無制限で、ゲームを一旦中断した後のチェックポイントからの再開もできる。 操作体系 アナログスティックで白猫の左右移動操作、ボタンでジャンプのみのシンプルなもの。それ以外の操作は特になし。 問題点 アクションゲームとしてのつまらなさ 身も蓋もない言い方をすれば「ただ純粋にアクションゲームとしてつまらない」のが本作最大の問題点。 同じような地形がコピー ペーストの如く配置され、クリアするまでそれらが延々と足場として利用する事になる。ステージならではの地形はほぼ皆無。 敵に関してはボスを除き、左右移動するだけのものが適当に配置されているだけ。無駄に大量配置されているせいで、唐突なミスに遭遇しやすいのが厄介。 後は数える程度の仕掛けや宝石が配置されているだけで、先に進んでも新鮮味や達成感というものがまるで感じられない。 これでまだ「操作が楽しい」とか「やり込み要素がある」といった救いがあれば良かったのだが、残念ながらそれらの要因もほぼ含まれていない。 表立った操作は移動とジャンプのみしかなく、これといった操作テクニックも必要としない。敵は倒すカタルシスもなく、ただふわっと消滅するだけ。 スコアなどの表示や称号集め、難易度選択やクリア後のおまけといった要素は一切非搭載。クリアした後は下記の謎エンディングに突入するのみ。 チェックポイントの発生位置によっては、復活直後に罠や敵と接触し即ミスすることがある。 無制限に再開出来る為詰むことは無いが、復活直後に無敵時間を設けるなど何らかの対策はとれたはずである。 あまりにも薄いボリューム 本作のボリュームは500円という販売価格を考慮しても薄っぺらく、遊べる範囲が大幅に限られてくる。 迷路構造で多少の迷いやすさはあるものの、順調に進んでいけば30分付近でクリアできるボリューム。上記の通り、やり込み要素もないにもかかわらずである。 宝石の存在意義がよくわからない 本作唯一のアイテムである宝石の効力が不明で、なぜ存在しているのかがわからない。 スコアの代用として解釈するにしても、やり込みやスコアランキング的なものが存在しないため、どの道集める理由付けが感じられない。 エンディングの意味不明さ ネタバレなのでエンディング自体の詳細は割愛するが、エンディングの描写に何の意味があるのかが不明。 エンディング中も白猫を操作できるのだが、特に何も起きないままに放置される。ゲームリセットもできないため、エンディングから抜け出せなくなる。 何か起きないかと周囲を移動とジャンプを行うと、簡単な手順で壁にめり込んでしまう現象が起きる。バグなのかそういう仕様なのかは謎である。 評価点 アクションゲームとしての体裁は保っている アクションゲームとしての根本的なつまらなさは否定できないが、ジャンルとして崩壊している部分は見受けられない。 ジャンプが暴発しやすい一面もあるが操作性に大きな問題はない。チェックポイントが頻繁に登場する影響で、ミスをしても近場からの立ち直りも容易。 好意的に解釈すれば「シンプル操作で大した苦戦をしないまま短時間でクリアできる」お手軽さがあるといえる。それは評価点と呼べるのかはさておき…。 発生したトラップと敵の組み合わせよっては攻略が若干難しくなる場合があり、その場合次のチェックポイントまで緊張感のあるプレイを楽しむことは出来る。 グラフィック関連は及第点 グラフィックは90年代の16bit風といった趣旨のもので、外観上でいえば良い意味でのレトロ感があって味わい深い。 ステージの進行によって背景とBGMが変化する演出があり、ステージの変化が皆無な本作において、先に進んでいる実感を覚える数少ない要因となっている。 主人公である白猫が非常に可愛らしく、移動やジャンプのアニメーションも滑らかに動く。本作における癒し的な見所である。 総評 ゲームに支障をきたすレベルの欠陥は見受けられないものの、「薄くてつまらないアクションゲーム」という一言で説明が付く残念な一作。 強引に例えるなら、ゲームボーイ黎明期のアクションゲームを少しグラフィックを向上させて現行ハードに持ってきた、と言ったところだろう。 一応はアクションゲームとして遊べなくはない内容だが、500円を出してプレイする価値があるものかといわれると首を横に振ってしまう出来。 .cat Milk 【どっときゃっと みるく】 ジャンル アクション 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売元 Game Nacional 開発元 Bernardo Game Studio 配信開始日 2022年1月7日 定価(税込) 900円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング IARC 3+ 備考 日本語非対応 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 新作なのにドットが簡易化シビアな入力タイミングBGM1種、ストアのイメージ画像も1枚 概要(Milk) 上記の『.cat』(以下、前作と表記)より後に配信された作品。 前作から大きくゲームルール等を変更している。 ゲームルール(Milk) 前作とは打って変わり、スクロール無しの固定画面アクションとなっている。 白猫の操作は横移動とジャンプのみ。全50ステージ。 ジャンプの大小は無し。 白猫を操作してスタート地点である家から出発し、ステージ上に一つのみ配置されているミルクを回収して戻ればステージクリア。 残機等のシステムは無く、リトライ・コンティニューは無制限。 ステージから落ちたり、トゲ付きブロック、落下する針、歯車状のノコギリに触れるとミルクを失いスタート地点に戻される。 針は一度落下するとリトライしない限りは復活しない。 トランポリンや上下動する風船に触れると白猫が跳ねる。 ゲートに触れると対応したもう一つのゲートにワープする。 複数組のゲートが配置されているステージの場合はアルファベットの表記があり、同じアルファベットのゲート同士が対応している。 ゲートは一度通過すると3秒ほど反応しなくなる。 問題点(Milk) ボリュームが薄い 50ステージと言うと聞こえは良いが、一つのステージあたりのボリュームは一般的な横スクロールアクションのものよりも遥かに薄い。 一部、迷路的な構造のステージはあるものの、片手で数える程度。大体はステージを見た瞬間に往復ルートが分かりきってしまう。 余談項に掲載されているタイムアタック動画の記録は12分。このタイムでもなお短縮の余地がある事を鑑みると、価格不相応と言わざるを得ない。 ステージの背景も変わり映えが無く、BGMも1種類のみ。 エンディングについて + ネタバレ注意 エンディングは非常に簡易なもので、「Thanks for playing!」と数秒間表示されるのみ。 直後にタイトル画面に戻るのだが、何故かすぐにタイトル画面が再表示される(その間に操作をしてもタイトル画面に戻される)。 エンディングには効果音も無く、白猫に関して語られる事も無い。 オートセーブの不具合 基本的にはステージを一つクリアする度にセーブされるのだが、一部のステージでクリアしてもセーブされない場合がある(原因不明)。 対策は「さらに1,2ステージ先まで進める」といったところか。高難易度のステージで不具合に見舞われたら目も当てられない。 上記の前作と比較すると、グラフィックが簡易になってしまっている。 白猫は可愛いままなのが救いか。 落下する針は一時停止中も動いてしまう。 一時停止中は白猫はダメージを受けないため、針の落下に合わせて素早く一時停止すれば無効化できてしまう。無限コンティニューと共にギミックの意味を無くしてしまっている。 ステージ46のみ、2組のゲートが配置されているにもかかわらずアルファベット表記が無い。 賛否両論点 シビアで歪な難易度 ジャンプの入力タイミングがシビアで、最速で十数秒でクリア可能なステージにもかなりの時間がかかる。 ほとんどのステージがジャンプのタイミングに徹底した構造となっており、「風船が下がったタイミングに合わせて落下ギリギリでジャンプしないとノコギリを避けられない」といった構造がコピペの様に1ステージあたり4~5回程続く。 しかも往復するルートによってはその回数は2倍となる。ステージが短いためチェックポイント等も無く、ステージに慣れるまではストレスの方が強い。 そんな中、50ステージ中6つのステージは直前に高難易度のステージがあるのにもかかわらず、非常に簡素で低難易度なステージとなっている。 特に最後の3ステージである48~50が顕著で、コンティニュー時に復活しない針を主体とした構造になっているため、無限コンティニューであっけなくゴリ押しできてしまう。 リトライ限定プレイ等の自主的な縛りプレイを行ったとしても、クリア時間を記録してくれるようなシステムが全く搭載されていないのも寂しい所。 一方で、慣れてくると一つのステージに苦戦する時間が短くなる等上達を感じる事もある。 『スーパーマリオメーカー』等で当たり判定ギリギリのアクションを楽しんでいたプレイヤーには魅力的に思えるかもしれない。 テンポ・処理の速さ ゲーム起動時からステージクリア時に至るまで、ロードが一切発生しない。 これだけ聞くと素晴らしい事なのだが、コンティニュー時の処理はいささか速過ぎるレベル。 本作はドット単位の精密な操作を要求する為、必然的に画面の一部に集中する事になるのだが、ミスになると一瞬でスタート地点に戻される。 しかも戻された直後も押しっぱなしのボタンには反応するため、そのままジャンプして無駄死に、なんて事も多々ある。徐々にストレスが溜まっていく要因にも。 評価点(Milk) アクションゲームとしての破綻は見受けられない。 難易度はシビアだが、移動とジャンプのみのシンプルな操作はとっつきやすい。 総評(Milk) 定価ベースで評価すると、ペラペラなボリュームや簡素な演出面は低品質と言わざるを得ない。 かの『Getting Over It』の様に背景が変化していく事も無いため、ステージクリアの快感が慣れるまでのストレスを上回り辛いのも悲しい。 遊びやすいが練られていない針ステージと、練習量がものを言うその他のステージも方向性が一致していない。 タイムアタック等の自主的なやり込みで光る面もあるため、前作と比較するといくらか救いがあるだろう。 余談 YouTube上にはタイムアタック動画が数名のプレイヤーによって投稿されている。 + 海外のプレイヤーによるタイムアタック動画 eShopの販売ページでは、僅か1枚しかスクリーンショットが掲載されていない。 機械翻訳丸出しの説明文も相まって内容の推測は困難。 本作の内容が前作と大きく異なる事や、人を選ぶ難易度である事も悪質さに拍車をかけている。せめてトレーラーの一つぐらいはあっても良いのではないだろうか……。 同メーカーより本作と類似のタイトルとして、2021年12月24日に『.dog』が販売されている。
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ソニック テイルス2 【そにっくあんどているすつー】 ジャンル アクションゲーム 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 ゲームギア 発売元 セガ・エンタープライゼス 開発元 アスペクト、セガ 発売日 1994年11月11日 定価 3,800円 判定 良作 ポイント ゲームギアソニックの4作目新キャラ ファングも登場 ソニックシリーズ 概要 システム 評価点 問題点 総評 余談 概要 ゲームギアで発売されたソニックの横スクロールアクションの4作目。 前作「ソニック テイルス」同様、ソニックの他にテイルスも使用可能。 敵はおなじみエッグマンだが、ソニックを悪党と誤解し妨害してくるナックルズと ソニックもエッグマンも出し抜いてカオスエメラルドを手に入れようと企むファングが 新たな敵として登場する。 システム ゲーム開始時に「ソニック」と「テイルス」どちらを使用するかを選択する。一度決めたら途中で変更は出来ない。 ソニックはストライクダッシュなどスピード系のアクションが豊富。テイルスは一定時間空を飛べるので探索向き。 過去作ではダメージを受けるとリングを全て失っていたが、今作は一度に落とすリングが30個までになった。 つまりリングを31個以上持っていれば、ダメージを受けてもリングは残るので過去作より死ににくくなった。 各ゾーンのアクト1と2には1つずつ宝石が描かれたボックスが存在。リングを50個以上持った状態で壊すとワープゲートが出現し入るとスペシャルステージに挑戦できる。 スペシャルステージは2種類。1、3、5回目は2Dステージ。2、4回目は3Dステージとなる。 2Dステージでは制限時間内にゴールにたどり着くのが目的。タイムアップか穴に落ちると失敗となる。 3Dステージでは規定数のリングを取るのが目的。終了時に規定数に達していない場合は失敗。 どちらも最後はファングとの戦闘になり、勝利すればカオスエメラルドが手に入る。 今作のカオスエメラルドは5個。全て手に入れた状態で最後のボスを倒せば真エンディングとなる。 評価点 全体的に難易度は高くなく、初心者でもとっつきやすい。 本作はリングの仕様変更のおかげで死ににくく、コンティニュー回数も溜まりやすい(*1)のでなおさら。 前作の「ソニック テイルス」ではテイルスでは真エンディングが見られなかったが、本作ではテイルスでも真エンディングを見られるようになった。 本作はサウンドテストが標準搭載。タイトル画面で上下ボタンを押せば選択可能。 ナックルズやファングといった第三勢力ポジションの登場でゲームの展開にも深みが増した。 前作から続投したホッピングやロケットシューズの他、スノーボードやスクリューシューズなどの新アイテムによるアクションも追加され、より豪華になっている。 特にテイルスでのみ使える潜水艦「シーテイル」は水中で息継ぎなしに自由に動けるため、かなりありがたいはず。 問題点 最初のボスの倒し方がわかりにくい。 今作はスプリングでジャンプ中にボタンを押すと空中で回転が出来る。この回転中に攻撃判定があるので、これを利用してボスを倒す事になる。 ただ、このアクションかなり地味なせいか存在に気づかないというケースが起こりやすい。そうなるとボスの倒し方がわからないという事に… 今作の新アクションなのでシリーズ経験者ほど、見落としやすいかもしれない。 今作はタイムアタックというモードもあるのだが、セーブ機能がなく記録は残せない。 総評 メガドライブ版とは違った進化を続けたゲームギア版ソニックは本作でほぼ円熟したと言っていい出来。 初心者はもちろん、シリーズファンも楽しめる内容なので機会があれば是非プレイしてもらいたい。 余談 本作で初登場した新キャラ ファング・ザ・スナイパーはその後もACの『ソニック・ザ・ファイターズ』やGGの『ソニックドリフト2』などクラシックソニックファミリーの一員として何作かに出演したが、モダンソニックに移行後は出演が途絶えており、『ソニック ジェネレーションズ 白の時空』のステージ中に彼の手配書が貼られている程度であった。 その後、クラシックシリーズの新作である『ソニックマニア』にて、ボスの1人ヘビーマジシャンが化けるキャラクターとして本人ではないとはいえ久しぶりに登場。ファング本人も2023年10月に発売されたクラシックシリーズの最新作『ソニックスーパースターズ』に敵役として登場することが明かされており、実に27年ぶりの本人出演となる。 ちなみに『スーパースターズ』ではフルネームが「ファング・ザ・ハンター」に変更され、「指名手配されているため様々な偽名で知られている」という設定も明かされた。 マイティーやレイ同様、アメコミ版ではアーチー版、IDW版ともに出演している(ただしIDW版はクラシック準拠のエピソードのみでの登場)。
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おさわがせ! ペンギンBOY 【おさわがせ ぺんぎんぼーい】 ジャンル アクション 対応機種 ゲームボーイ 発売・開発元 ナツメ 発売日 1990年8月8日 定価 3,000円(税抜) 判定 良作 概要 特徴・評価点 問題点 総評 参考動画 余談 概要 ペンギンの王子様を操作して、占領された王国奪還を目指し地上絵の封印をといて回る。 網目の辺の上にある封印を破壊することで網目が塗りつぶされていき、すべての網目を塗りつぶせばステージクリア。全40ステージ。 ドットイート『パックマン』と陣取りゲーム『ヴォルフィード』を掛け合わせたような独特のシステムを持つパズルアクション。 特徴・評価点 フォロワーが出なかったことが不思議なほどの完成度を持つ基本ルール ルール プレイヤーはライン上を移動しながら、配置されたオブジェクト(以下封印)を破壊していく。 パネルを囲うライン上のすべての封印を破壊すると、そのパネルが塗りつぶされる。 ステージ内のすべてのパネルを塗りつぶす(=すべての封印を破壊する)とステージクリア。 ライン上を移動する敵キャラクターに触れるか、時間切れになるとミス。 ドットイート、陣取りゲームとも、本来しらみつぶすことが快感のゲームだが、双方のシステムを手軽化して合成することで、直感にしたがって走り回るという正反対のゲーム性を引き出している点が見事。 整合性のとれたサブルール 「封印」に関するサブルール 白い封印を破壊すると敵の移動方向が反転する。 黒い封印は通常の破壊のほかに、蹴って敵にぶつけることができる。 パネルが塗りつぶされるときに、パネルを構成しているラインにいる敵を倒すことができる。(倒した敵は一定時間で復活) 黒い封印を蹴るシステムが秀逸で、ラインを無視して一直線に飛ぶため、無関係なラインにいる敵の巻き込みも狙うことが出来る。 巻き込みによる単純な爽快感に加え、偏差射撃のテクニックを追求する楽しさと、「敵も味方もラインの上」に対するアンチルールを突くような優越感を、Aボタンひとつで実現しているのがすばらしい。 白い封印による反転と倒した敵の復活が、絶妙な擬似ランダムを作り出している。 本作のすべての敵は一定の法則にのっとって動く(*1)ため、本来すべての動きは予想可能である。 ところが、敵を倒したり反転を使うタイミングによって、敵の動作周期(*2)・方向がずれて、とたんに予想が難しくなる。 これによって、ミクロ的には敵の動きにパズルとしての納得感を持たせつつ、マクロ的に擬似的な偶発性が出る作りになっている。 無論、同じ手順、タイミングなら100%の再現性なので理不尽に詰むことも無い。 意外と突き詰められるスコア要素 巻き込み数で倍々に増えるボーナスが病み付きに。 タイムボーナスもあるので、ひたすら巻き込みを待っていれば良いわけでもないのも上手い。 上手く立ち回れば2~3面に1度のハイペースでエクステンドするので、クリアラーなりにも稼ぎを楽しむことができる。 操作事故や挟み撃ちで死にやすいゲームでありながら、エクステンドの多さによって易しめの難易度に収まっている。 この死の軽さのおかげで、ミスを恐れてじりじりしたプレイになることを上手く回避している。 敵アルゴリズムの性質上、再現性も高いのでストイックにスコアを詰める遊び方にも堪える。 良好な操作性 GB初期でありながら、レスポンス抜群で処理落ち等も無く快適。 キャラの移動速度が速めで、いい意味でアクションらしい親指捌きが求められる。 地味に快適さに影響している、Bボタンを押しっぱなしで乗っても封印を破壊できる仕様。 タイミングよくボタンを押すという余計な負荷が発生しないので、爽快感を重視したドットイート+陣取りというゲーム性がぶれない。 ポーズから復帰するときに即復帰ではなくカウントダウンが入る。 最新のゲームでも珍しいこの親切仕様を90年に導入していたことに恐れ入る。 プリミティブながら完成度の高い演出面 小気味良いSEとあいまって、敵のやられ動作がやたら爽快 例えば黒い封印を蹴った場合、2体、3体と巻き込みつつカッ飛んで行き、壁にぶつかったところで効果音とともにボーナス得点が表示、といった具合。 水谷郁、山西こういち両名による何処となくロックンロール(notロック)なBGMが、また楽しさを盛り上げる。 特定ステージの地上絵に表れる、意外とかわいくクオリティの高いおまけイラスト。 ただしゲーム内容とほとんど無関係。ある意味潔いまでの割り切りっぷり。 問題点 グラフィックは初期GBクオリティ。記号的なゲームであることもあいまって、全体的に地味。 Aボタン(蹴り)は位置・タイミング合わせが若干シビア。アクションの差別化にはなっているが、スコアなりでリターンが欲しかったところ(*3)。 後半ステージは、分割が細かく地形が複雑なため、白、黒とも巻き込みボーナスを狙いにくく勿体無い。 角を曲がる操作に若干の癖があり、ぴったり入らないと角に引っかかる 斜め入力をしておくことでスムーズに入れるものの、細かい曲がり角の連続は少々面倒。 その操作性の問題点を難易度上昇の手段として使ってしまったステージがある。 ラストステージのゲーム性が違っているが、あまり効果的とはいえない。 有って無いようなものではあるが、ゲーム本編からストーリーを読み取ることは多分不可能。 総評 よく整理されたルールと軽快な操作性、楽しげな演出でとっつきやすい小粒なパズルアクション。 擬似的なランダム性によって、アドリブ重視からガチプレイまで幅広く応えられる面白い作り。 GB初期ゆえの地味さが玉に瑕だが、ゲームに多くの時間を割けない、そんな今の時代こそ評価されてほしいミニマルな良作。 参考動画 + ※海外版である"Amazing Penguin"の解説動画 余談 同時期のナツメのマイナーGB作品では、『ラッキーモンキー』や『しっぽでブン!』なども、一歩良作には及ばないもののお勧め。
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夢の坂 【ゆめのさか】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 Windows95 発売・開発元 acute 発売日 1998年9月25日 定価 8,800円(税別) レーティング アダルトゲーム 判定 クソゲー ポイント 起動に一手間必須「ゲーム作れませんでした」⇒ 製作中のデータを納めて出荷シナリオの完成度は非常に高いまさかの有志によるリメイクも配信 概要 あらすじ キャラクター紹介 伝奇ものとして 登場人物同士の会話 問題点 起動方法が厄介 評価点 総評 移植 余談 動画による解説 概要 ブランド「acute」のアダルトゲーム2作目にして、色々な意味で有名になってしまった作品。 もっとも、無名ブランドのため被害者は少数だったと思われる(*1)。 2013年まではPINKちゃんねるのクソゲースレで稀に「起動できないゲーム」として細々と語られるだけの存在だったが、疑問に思ったコレクターでライターの赤野工作が調査した結果起動出来る事が判明し、シナリオの斬新さが再評価された。 あらすじ 『 夢 の 坂 』それは怪しげな伝承をもち、今でも言い伝えにある化物が出たとか、幽霊が出たとかの話には事欠かない寮と学校を繋ぐ緩やかで長い坂… それは歴史ある学校には付き物の有りそうで無さそうな舞台で心に傷を持つ人たちが繰り広げる物語… (公式チラシから引用) キャラクター紹介 + 一覧 香西冥夜 主人公。成績優秀、スポーツ万能、容姿も良く、ケンカにも強く、当然ながらモテるが、告白する女子生徒をことごとく拒絶して手ひどく振ることで有名。有力な政治家が愛人との間にもうけた子であり、彼を産んで母は間もなく死亡するなど家庭運に恵まれなかった(というより、家庭と呼べるような環境さえなかった)。本人に自覚はないが、実は超能力者であり、かつて「夢の坂」に出没した妖怪を討ち取った侍の子孫である。彼自身は無意識のうちに、頭脳と身体の精妙なコントロールを超能力によって行っており、学業からケンカまで大した努力なしで高い能力を発揮していたのは、これによる。女性を拒絶するのは、母の命を奪って自分が生まれたきたという思いと、過去に養母から受けた「性的虐待」によるトラウマからである。一見すると、冷たく見えるが困っている人間を幾度となく助けており、内に優しさを持っている。登場する女性キャラのうち何人かはこれを見ている。その上で、女子生徒の告白を冷たく拒絶する(しかし、辛そうな表情を隠しているのも見てとっている)冥夜に何らかの事情を抱えていることを感じ取り、余計に彼に関心や執着を持つようになっている(ある後輩の女子は、これをとても罪作りなことをしていると指摘している)。 彼の受けた性的虐待とは? + クリックで展開 彼は幼いころに父の愛人の一人に育てられていたが、愛人の女性と父の間で連絡が取れなくなってしまい、「捨てられた」と思い込んだ彼女は情緒不安定な状態になり酒に酔っていたこともあって、頼る者のいなかった彼女は衝動に駆られて冥夜を犯してしまった(このとき主人公は小学生)。悲惨なのは、主人公は母代りだった彼女のことを慕っており、彼女も冥夜のことを可愛がっていたということだろう。これが深刻なトラウマとなって、彼は女性を避けるようになった。 吹雪氷雨 同級生。顔立ちは整っており、美少女であるが、人を寄せ付けない雰囲気、「壁」のようなものを持っている。友人らしい友人もなく、前述の「壁」から彼女に近づく男子もいない。実は彼女もまた、主人公同様に出生に関して不幸な問題、苦しみを抱えている。そして彼女もまた超能力者である。不幸な生まれ、そして超常の能力を持ち、それ以外にも多くの共通項を持つ彼女は冥夜とお互いに魅かれ合うことになる。彼女は、自分の超能力に気付き、かつ彼女の持つ特殊な超能力を活かせる「夢の坂」で、そこに潜む「怨霊」(とそれ以外の存在)の力を利用して、自分を見捨てて虐めた社会に対して復讐をしようとする。しかし、彼女は心の奥底で自分の不幸な生まれを知った上で受け入れ、彼女が欲していた「優しさ」や「愛情」を与えてくれる人を心から待ち望んでいた。シナリオの展開次第で、彼女はその心情を冥夜に打ち明け、傷つくことを恐れて冥夜が救いに来てくれるのを待つことしかできなかった自分を、涙ながらに「私は卑怯です」と語っていた。彼女は主人公より超能力者としての覚醒が早かったこと、「地の利」を生かせる能力者であったことから、主人公より遥かに強大な力を得ており、冥夜は窮地に立たされる。単純な力で彼女を倒すことは困難であり、「ある種の気付き」を得ることが冥夜が勝利を得るカギとなる。吹雪以外のヒロインを攻略する場合は、そのヒロインから「気付く」ためのヒント、言葉、受け取るべき「もの」を受け取る(例として「吹雪先輩と戦うんじゃないんです、女の子と戦ってどうするんです?これから吹雪先輩を救いに行くんですよ!」といった言葉を受け取り、「吹雪の心を救うこと」、が勝利となることに気付く、といった感じになる)のだが、吹雪を攻略する場合は敵になった彼女から受け取ることはできず、当然のごとく非常にハードルの高いルートになる。しかし、彼女の心が救われるシーンはかなり感動的ではある。だが、救われた後でも、彼女の能力と容姿、生い立ちから、彼女の出生に関してある種の推測ができるのだが、これもまたかなり暗いものを含んでいる。彼女の顔がパッケージのイラストに直接描かれずに、彼女の「赤い目」のみ描かれているのは伏線に対する回答ないしヒントのようなモノである。彼女は「夢の時間」と言われる、広範囲に渡る(場合によっては世界的な規模にまで悪影響をもたらす)攻撃を「復讐の手段」として実行を始めるが、それは「彼女と同じ不幸な存在」を生み出すことになるのだが、それに気が付かないまでに悪霊の怨念と同調した状態となってしまっていた。彼女は、「夢の時間」に「侵される前の世界」における唯一の「未練」である冥夜を自分の仲間にしようとするが、「夢の時間」がもたらすものを理解した冥夜は氷雨の誘いを拒絶し、二人は戦うことになる。 吹雪の出生に関する不幸とは? + クリックで展開 彼女は、母が強姦されて身ごもった子であり、父親が分からない、という相当に不幸な生まれである。彼女は「父親の分からない子」という事でかなりのイジメを受け、その上、彼女の母も自殺してしまうという、悲惨な人生を歩んできた。彼女の持つ「壁」は、そんな自分を守るためのものであった。 吹雪の超能力について + クリックで展開 彼女はかなり特殊な超能力を持っている。それは、「複数の他者の力を自分に取り込み、束ねて一つの力にする」という能力である。力を借りる対象は、「生者」であるか「死者」かは問わない。つまり、死霊から力を得ることもでき(そもそも人間ではない物からも力を取り込むことができ、これが彼女最後の必勝の切り札だった)多くの怨霊が潜む「夢の坂」は彼女が超能力を振るう上で、うってつけの場所であった。 「夢の時間」とは? + クリックで展開 最初は集団で見る「共通夢」のような現象が現れる。しかし、それが日常的に「共通夢」を見るようになっていき、各自が隠していたもの、欲望や願望があらわとなっていく。「共通夢」を見続けるうちに、「夢と現実」の境界線が曖昧となり、やがて「夢の中」にあったものが現実となり、「現実ではありえないもの」を「何らかの形」で実体化させていく、特殊な超能力による攻撃手段。皆が「怖い」と思えば、その存在が「実体化」してくる。 妖怪や魔物が跳梁跋扈する状態が実は「夢の時間」であり、侍と僧が「魔物退治」を行った時の真相(しかし、「魔物」はすでに実体を得ていた)だったが、今回は「暗い欲望に囚われた傀儡」という別の「妖怪・魔物」を吹雪は実体化させていく。始末が悪いことに、吹雪と怨霊たちは、ある特殊な仕掛けが入るようにしており、「夢の坂」周辺で生じた「異常現象」が「ガン細胞が転移」するように「夢の坂」周辺だけでは済まず、ここを起点として各地に拡散する状態となっていて、ここで「夢の時間」を阻止できなければ「世界中に狂気が飛び火して、世界が狂気に飲み込まれる」状況となっていた。 広瀬恭子 同級生。クラスの女子のリーダー格で、学生寮における学生側の長。気丈でプライドが高く見えるが、彼女なりの不遇な境遇への抵抗の姿勢でもある。入学式の当日に彼女の両親が卒業と同時に離婚することが決まり、それに心を痛めて煩悩階段で泣いていて、そこで冥夜と初めて遭った。冥夜は泣いている彼女を馬鹿にするような事を言ったが、それは極度に落ち込んだ相手は慰めるより怒らせる方が回復させやすいことと、容姿の整った娘が慣れない場所で無防備で隙を見せれば、下卑た欲望の餌食になりかねないことを心配しての事だった。彼女はその心づかいを悟り以後、彼女は彼に魅かれて密かに冥夜を見守り続け、人に親切にしながら男子に対しては一定の距離を取り、女子生徒の告白は拒絶する冥夜とは「ある種の喧嘩相手」のような形で一定の近さを保ちながら付き合うことにしていた。長く冥夜を見守り続けていたことから、彼が吹雪氷雨と魅かれ合うことを「同病相哀れむ」と語り、その二人が戦う先にあるものは「共倒れ」と語っていた。彼の歪んだ家庭環境から肉親の愛を十分に得られず、そして母の命を奪ったという気持ちと、そこから来る「自分を愛せず、自分に価値を見いだせない」という心情が誤りであることを伝え、冥夜に「生きる価値があり、自分を大切にすべきこと」を伝えて、「気付き」を得た冥夜は「戦える」状態となり、結果として彼に勝利を掴ませて生還させることになる。逆に彼女のルートに進まず、あるヒロインのルートに進んだ場合はかなり痛々しい彼女の姿を見ることになる。彼女は冥夜と結ばれれば、「帰るべき家庭」は失うが、「代わりとなるもの」を得るが、結ばれなかった場合は「帰るべき家庭」を失い、「失恋の痛手」にも耐えなければならない状態となり、落差の激しい結果となる。 川崎有紀子 同級生。落ち着いた雰囲気と控えめで奥ゆかしい振る舞いながら、芯の強さ、優しさ、愛情と情熱を内に持つ娘。彼女は冥夜の下駄箱にラブレターを入れて告白のための待ち合わせをしようとしたが、冥夜はこれをいつも通りまともに読んでおらず、結果として彼女は待ち合わせの場所で時間が過ぎても待ち続け、雨に降られて濡れてしまい病気になってしまった。これが広瀬恭子の耳に入り冥夜は怒られ、罪悪感を感じた冥夜が有紀子の部屋へ見舞いに行く形で面識を持った。彼女は冥夜と並んで学年の首席を争える成績だが、エリート志向ではなく、大人達が「試験の成績」という狭い基準で学生達を上下に振り分けることに、いつか抗議し改めさせるための立場を得るためであった。しかし、その立場を得るためには、結果として多くの人を下に蹴落とす形となることにも、怒りと悲しみを感じていたようだ。吹雪氷雨の圧倒的な力の前に死を覚悟した冥夜に対して、「戦う前から諦めてどうするのです?」と叱咤し、吹雪は強くなどなく、「自分が傷つくのが怖くて誰とも付き合わなかった弱い人」と語り、冥夜が氷雨の表面的な力に囚われ、彼女の心が実際には弱く、自分を貫くだけの強さがないことを見逃していることを指摘し、「あの人(仙道刀夜)はあなたが死にに行くのだと言いましたか?あのマスターは、あなたをいつも父親のような優しい目で見ている。あの人はあなたを死なせたりしない。」「戦う必要がそもそもないからです。」と続け、刀夜が冥夜に語った言葉の真の意味、「戦わずして、説得して吹雪を救え」と言わんとしていたことに冥夜を気づかせた。また、心の弱い吹雪が、既に自分の意志ではなく悪霊の「怨念」に囚われて動いていることも見抜いていたらしく、生者の世界で十分に生きることができず、ゆえに怨霊の「生者の世界への復讐」に同調してしまった吹雪を説き伏せるには、その言葉に「死者の怨念に勝る、生者の世界にしかない『生』を全うすることの素晴らしさ」がこもっていなければならず、少なくとも生きることに未練を感じられなければ、その言葉を紡げないことを冥夜に語り、彼女は冥夜に「生きたいと思う未練」を与えた。彼女のアドバイスは的を射た有益なものであったが、冥夜と彼女を待っていたのは予想もしなかった展開だった。 高橋美紀 主人公の担任の女教師。長身でグラマー、美人であり、男子生徒から人気がある。生徒の面倒見も良いため、女子生徒からの評判も良い。また、主人公の居住する学生寮の舎監でもある。新卒で教師になったため、主人公達とは年齢が近く、侮られないように男性のような口調で話しているが、実際はごく普通の女性の口調である。学校自体が、戦前から権力者、資産家などの有力者の婚外子を預かり、結果として各界の有力者とのつながりを持っていたがゆえの名門校、という特殊な学校で、問題児ではないが、不幸な家庭環境を隠して明るく振舞っている生徒が存在することに心を痛めたりしている。また、親が有力者であり、金銭的に恵まれているがゆえに傍若無人な振る舞いをする生徒がいたりと、色々と苦労している。 彼女は内心で、人目を引く美少年で、女子生徒から注目されている冥夜に女として魅かれているが、彼に対して教師としての責任も果たそうと努力はしている。しかし、不幸な家庭環境と出自を持つ彼に女として同情してしまい、「教師としての一線を越えた肩入れ」をしていた事を刀夜に指摘される事もあった。このように愛情深い一面があり、故に「間違い」を犯してしまう面もあり、かつて自分に優しく接して、よく面倒を見てくれていたが、最終的に間違いを犯した養母の影を、冥夜は彼女に見ていたことが、彼女のルートで分かる。 小澤麻里絵 主人公の後輩。二年生。心優しい、他人のことを思いやれる娘。控えめで、ある種の臆病さもある「小動物」系の少女。但し、正義感の強い部分もあり、曲がったことを言った相手に怒ると、それが強い相手でも後に引かないような部分がある。物語の冒頭で、主人公にラブレターを渡そうとしたが、受け取ることさえ拒否されるという酷い振られ方をした。しかし、後日に学校の帰りに、雨に降られてしまい学校と学生寮の途中にある喫茶店「もらとりあむ」に雨宿りに入り、冥夜と再会する。店主の「仙道刀夜」の計らいで(かなり強引であったが)、冥夜との距離を縮めることになる。そこで友人の中原奈緒子との間で、「煩悩階段」に現れるという「人魂」、「鬼火」を見に行こうという話が出てきており、冥夜もこれに参加することになる。この「煩悩階段で人魂を見に行くイベント」により、物語は大きく進むことになる。ある意味で、この物語の切っ掛けを作った人である。この煩悩階段で人魂と遭遇したことにより、冥夜は「魔物」側から目をつけられることになる。吹雪が正体を現し、皆を守るために吹雪と対決することを決め、勝ち目の少ない戦いに挑む冥夜に「生きることの大切さ」を彼女なりの言葉で諭す。彼女は、交通事故で目の前で弟を失っており、そのことを未だに悔いて悲しんでおり、冥夜は自分が死んでしまえば、彼女をさらに悲しませることになることを悟った。麻里絵はさらに、自分たちの日常がつまらなく思えても、幼くして死んでしまった弟には経験したくてもできなかった経験であり、貴重な経験であり、生きることは尊いことであり、今死んでしまえばこれからできるであろう経験をできなくなることを話し、愛し愛されることを知る前に死んではいけないことを伝えた。彼女のエンディングは「学園ものの王道」的なエンディングとなる。 中原奈緒子 主人公の後輩。二年生。小澤麻里絵の親友で同じくバスケ部に所属している。直情的で強気な性格。しかし、脆い部分もある。小澤麻里絵の告白に付添として立ち会ったが、麻里絵の真剣な告白を冷たく拒絶した冥夜に腹を立てて、食ってかかるが結局はラブレターさえ、受け取ってもらえなかった。後日、麻里絵とともに雨宿りに入った「もらとりあむ」で冥夜と再会する。麻里絵のために自分たちの所で話をしないか?と誘うも断られるが、仙道刀夜の計らい(かなり無茶なやり方だが)で、三人は距離を縮めることになる。冥夜は、奈緒子が情に厚い性格であることを認めた上で彼女に次のような話をした。性格が優しく善良だが、気弱な麻里絵のため、情の深さ故に良かれと思ってすることが逆に彼女にとって良くない結果になるかもしれないのだと。そして気の強い子が気の弱い子を守ろうとして、逆に気の弱い子の自力で行動するという成長の芽を摘み取るかもしれない事を指摘して、彼女はそれに軽く驚いている。彼女のルートに進むと吹雪がその正体を現し、吹雪の行動を阻止するために戦うことを決めた主人公に対して、「自分が無理に話しかけなければ人魂と遭遇して魔物に侍の子孫と気付かれずに済んだのでは?」と涙ながらに話し、責任を感じていたことが分かる。冥夜との会話で、彼が「母を殺して生まれてきた」という思いを持ち続け、父も正妻の目を恐れて、彼に愛情を伝えておらず、幼いうちは、あまりにも愛情に縁がなく「自分は愛されない」、「生まれてきてごめんなさい、状態さ」と語り十分に愛情を得られなかった苦しみから、「愛情」を遠ざけ、考えないようにし、その延長として今も愛情の絡んだ関係を拒否していたことを理解した。加えて彼の話から幼いうちに養母から強姦の被害に遭い、そして女性と関係を持つことを拒絶していたことも悟った。冥夜に魅かれていた彼女は、麻里絵を傷つけることになることを気にしつつも、彼のために「沢山、沢山愛情をあげる。先輩にはそれが沢山、沢山、必要だから」と答えた。自分の過去を知り、それでも受け入れ、涙を流して心配してくれる奈緒子の存在によって、心の一部が機能停止していた状態から回復した冥夜は闘える力を得て、無事に生還することになる。 五代美也 主人公の後輩。一年生。攻略可能なヒロインの中では最年少。おっちょこちょいだが、成績は優秀。実は彼女がドジなのもあくまでも「フリ」らしく、「おっちょこちょい」というのも仙道刀夜が「道化」を演じている理由と通じるものがあるらしい(人とかけ離れたものがあることを隠ぺいする、愛されるように演じる等)。吹雪の本心を聞き出すためにカマをかけるが、逆にこのことを指摘されて沈黙してしまった。ドジで何も考えていないように見えるが、仙道刀夜が「美形の道化師」にしか見えなかった面子に比べて、「きれいなバラには棘がある」など、怖い部分に気付いおり、刀夜も少し彼女を苦手にしていたようだ。吹雪との戦いの前に彼女があまりにも「やらかし過ぎる」ため、説教のために彼女の部屋に寄ると「説教するつもりが彼女に説教される」といった展開になる。彼女は吹雪が冥夜に好意を抱いていることを見抜いており、吹雪は戦うべき相手ではなく救うべき相手であることを伝え、冥夜は「気づき」を得る。 彼女のエンディングでは、いつも通り「やらかして」、他の生徒に袋叩きにされかかっているところを逃げてきて、冥夜に助けを求め、彼に免じて許してもらったのだが、たいして時間がたたないうちに別の生徒の一団に追われて、「先輩助けて!」とまた助けを求めてくるなどギャグ色の強いものになっている。 仙道刀夜 冥夜行きつけの喫茶店「もらとりあむ」のマスター。知的な面も見せれば、道化のような振る舞いも見せる不思議な人物。モデルのようなルックスだが、普段はおどけたような振る舞いをしていることが多い。奇矯で愉快な言動が多く、そのため軽く見られて、中原奈緒子からは「変態マスター」、彼の店にいるウェイトレス達からは「オカマ顔」などと散々な言われ様である(しかし、彼も「小澤さんは可憐な少女」と言い、奈緒子が「私は?」と聞いたら、「君は少女モドキ」と言い返すなど色々とやり返しているが)。しかし、一部の女性達はこれが、本当の姿でないことを見抜いていた。高橋美紀は「本当は愉快な人じゃない」、川崎有紀子と吹雪氷雨は「恐ろしい人」、五代美也は「きれいなバラには棘がある」と評していた。 彼は、「夢の坂」の伝承に興味を持ち、三人のウェイトレスを通じて「夢の坂」の伝承について調べていたが、「夢の坂」で起きている「怪現象」が真実であることを確信しており、更に「怪現象」の原因が、単なる怨霊や妖怪に起因するものではなくもっと「恐ろしいもの」によって起きていることを見抜いていた。 実は若くして両親と死別し、ショックで心の一部が壊れていたらしい。頭脳明晰だが「他人への共感」が著しく欠落したサイコパス的な面を持っていたらしいのだが、それを自力で矯正していたらしい。心の一部が、ショックやトラウマにより機能停止していることを経験しているだけに、冥夜も近い状態(症状が違うが)を見抜いていた。そのため、彼は冥夜に対しては「気付くこと」を促し、時に厳しく、しかし見捨てない、といった態度で接することがあり、川崎有紀子はこれに気づいており、「いつも父親のような優しい目で見ている」と語っている。時と場合によってはかなり「怖い面」を見せることがある。 話が進むうちに、彼がどれだけ「怪現象の原因を把握している」のか見極めながら物語を読んでいく、というのも楽しみ方の一つかもしれない。注意深く読んでいくと「黒幕」に対する「対処の仕方」を途中で変えていることに気付くだろう。彼は実は冥夜や氷雨と同じく超能力者であり、「敵」が「夢」を利用して攻撃していることに気が付き、その行き着く先も理解したが、既に手遅れの状態となっていた。 福間 同級生。主人公と同じく学生寮の住人。漫研部の部長。夜な夜な主人公の部屋を訪れては「美少女アニメ」のLD(1998年当時だとDVDではないだろう)を持ち寄って、他の部員を引き連れ「鑑賞会」を開催する迷惑な男・・・なのだが、それは表向きの顔で、実際には色々と彼も訳ありな生徒である。実は、彼もとある有力者が愛人に産ませた子である。さらに正妻の息子(彼にとっての義兄)が、高校で女子生徒を妊娠、中絶させた経緯があり、父親同様にそうした事に罪悪感を持たずにいることに嫌悪感を感じ、現実の異性関係から距離を取り、二次元の世界へ逃避させることになっていた。主人公に対してなれなれしい態度を取っていたのは、同じような出自でありながら超然とした態度で社会を生きていること、飛び抜けた能力の持ち主であることへの憧憬に似た感情、母が死にかけていることへの不安感、絶望感からのある種の逃避であり、このような事情があったことを察してやれなかったことを主人公は悔いていた。 兵藤耕助 同級生。主人公とは親しい間柄。主人公と並んで絶対に「手を出してはいけない三人」の一人。しかし、性格は温厚温和で(ゆえに主人公いわく「最強ゴリラ」)、人を差別せずに公平に見ることができ、福間を評して「趣味はおかしいがいい奴」と見極めることができていた。学校の成績は良くないが、人望がありクラスの男子のまとめ役となっている。しかし、彼は「夢の時間」により「傀儡の一人」となってしまう。 数少ない親友と呼べる人物と主人公は戦わざるを得なくなる…。 「もらとりあむ」のウェイトレス達(イリス・レディーナ・ユリアン) 仙道刀夜と行動を共にする、喫茶店「もらとりあむ」のウェイトレス達。非常識を絵に描いたような人達だが、真面目になると非常に意味のあることを話す。実は刀夜同様に超能力者であり、彼らの存在と冥夜の存在により「夢の時間」に「夢の坂」一帯が完全に飲み込まれずに済んでいた。実は「夢の坂」が怪異を引き起こす「真の原因」となった「存在」を地下に封じた「少女」の呼びかけを受け、「夢の坂」の怪異を鎮めるために助力を要請されていたらしい。ちなみに、仙道刀夜とウェイトレスの三人は「モラトリアム」からの出演である。 侍 過去の「夢の坂」の伝説に登場する人物。師を殺した修行仲間の僧を追って夢の坂を訪れた(といっても僧が故意に殺したわけではなく、修行時の事故死のようなものだった)。侍が坂に来た当時から、「夢の坂」と坂は呼ばれていたことが分かる。彼が言うには「世の中は半熟の卵のようなもので、完全に固まりきっていない」のだという。侍は「夢の坂」で当時猛威を振るっていた「妖怪」を倒すことに成功するが、「妖怪」を発生させた原因は無くなっておらず、それは人の手では如何ともできないものなのだと言う。彼は再び妖怪が現れることを予言し、「口伝」という「言霊」の呪力により、自分の死後に「妖怪」が再び現れた際に、自分の子孫がこれと対抗するようにあらかじめ手を打っていた。妖怪を生み出す「夢の坂」に存在するもの、「この世は固まりきっておらず、人の想いにより変化しうる」と言い伝えた彼の言葉は、重要なキーワードとなっている。 僧 かつて、侍と共に修行をしていた仲間であった僧。力は相当にあったようだが、精神を安定させて術を発動させることに問題があり、結果として術の暴走で、彼と侍の共通の師は事故死している。彼は「夢の坂」に出没し、人々を殺傷していた「妖怪」を倒すために侍をこの地に招いた。伝説では、二人は「妖怪」に勝利したにもかかわらず、「夢の坂」と彼の建てた寺へ続く「煩悩階段」は人魂が彷徨い、かつこの僧が建てた寺院は廃寺となるなど「妖怪に二人が勝った」という言い伝えとは、逆のような結末になっており、重要な伏線となっている。侍は再び魔物が出る事を予言し、僧もそれに同意し、その時のために侍に「夢の坂」に残る様に勧めるが、「ここに居れば死ぬことになる」という意味のことを伝え、去っていった。侍の予言通り、僧は妻帯を禁止した宗派でもないにもかかわらず、断絶し、寺は廃寺となってしまった。彼は戦った「妖怪」について「人の心の弱さが生み出したもの」「まがりなりにも命を持っていた」と語り、この言葉と、僧と寺の辿った運命もまた、ある種の伏線となっている。 妖怪 過去の「夢の坂」の伝説に出てくる妖怪。人を引き裂いて殺していたという。伝説では侍が僧を訪ね、その帰り道で初めて侍はこの化物と遭遇した。化物と遭遇する直前に「何か風のようなもの」が侍に触れ、その少し後に道を女が歩いて近づいてきた。その女は「浅葱」といい、侍の知り合いだった。しかし、「浅葱」は伝聞ではとうの昔に「死んだ」はずであった。侍は伝聞で聞く「夢の坂」の「化物」と悟り、刀で切り付けた。しかし、化物に手傷を負わせることはできなかった。侍は刀の二撃目を放ち、次は見事に手傷を負わせることに成功した。化物は退き、侍はこの戦いを見ていた、使用人の娘にこう話している。「大方の化物は人があれこれ思い煩うた結果生まれたもの」であり、侍はゆえに「斬ることができる」と念じ妖怪を切ったのだ、と。「夢の坂」に現れた「妖怪」は人の心の奥にある「怖れ」「恐怖」が実体を持ったものであり、「人の心の悪夢」が現実となったものであった。そして、「夢の坂」でもっとも恐ろしい物は「妖怪」ではなく、「悪夢」を実体を持ったものに変える力を「夢の坂」に「与えたもの」であり、侍はその存在を感じ取っていた。そして「悪夢」は「恐怖」のみではなく、「別の種類の悪夢」と主人公は戦うことになる。 主人公の戦う「実体化した悪夢」とは? + クリックで展開 主人公が戦う「実体化した悪夢」は、人の心の奥に潜む「欲望」と「それを描いていた本人達が実践できる」世界が実体化したものであった。 ある者は破壊を、ある者は殺人を、ある者は強姦を、といった具合に欲望のリミッターを外せたらと心の奥底で願い、自分が成りたい、したいと願っていた通りの「自分」に各々がなっている世界だった。 御堂 主人公の通う学校の理事長。若く妖艶な美女とされる。かなりの資産家であり、「夢の坂」の周辺に広大な土地を持つとされる。彼女が理事を務める学校は「名門校」とされる。この学校は明治時代からあり(当時は女学校)、有力者の婚外子(主人公のような)を代々預かり、有力者との強いパイプを持ち続けたが故の「名門校」だった。実は、「夢の坂」の「真の伝説」において、「御堂」の名が出てきているのだが、現在伝わる「夢の坂」の伝説に彼女の先祖の名前は出てきていない。「伝説」の中で、「御堂」は「報酬によって、呪殺を行う呪術者の集団」とされており、その過去を消すために、「伝説」を「時間をかけて歪めていったため」にそのようになったのだろうと登場人物の一人は推測している。現在は、かつて「呪術師の一族」であったことなど微塵も感じさせないが、それは表面だけのことであり、今なお陰では「現役の呪術師」である。実は「夢の坂」と「学校」の周辺は「一種の呪術システム」となっており、「夢の坂」で起きる怪現象の原因の一つが「御堂」とその一族の存在によるものである。主人公は、「理事長の隠し部屋にあった物」を物語前半の終盤に発見し、「夢の坂」と「学校」の間にある隠された事実、「夢の坂の怪現象」と「夢の坂の伝説」の間にある真実の歴史を知ることになる。 理事長の隠し部屋にあったものとは? + クリックで展開 理事長の部屋が、地下道に続きその先に地下室があり、そこに「祭壇」が存在することを主人公は発見する。その祭壇は、戦国時代に「夢の坂」一帯に逃げてきたが追い詰められ、一族もろとも皆殺しにされた人々の人骨と、彼らを追い詰めて殺したが、裏切りにあい、やはり皆殺しにされた追手の人骨からなる「魔法陣」だった。「魔法陣」は深く穴を掘られたところに人骨を稠密に組み込んで作られ、その上に土を被せてさらに人骨の魔法陣を作る。これを何層にも重ねて、最後にその頂点に「真言立川流」の「髑髏本尊」を設置することで作られ、これと同じものがいくつも設置されていた。 この「呪術的施設」の力により、「夢の坂」で惨殺された「怨霊」の「呪い」の制御を行い、エネルギーとして自分達の利益や繁栄、敵対者の呪殺に用いるという形で利用していた。そして「学校」の正体は、労せずして「髑髏本尊」を作るのに必要な高貴な血筋・美しい容姿・優れた知力の全てを備えた若い女性を生徒として集めることができるためだったらしい事が作中で語られている。 ちなみに髑髏本尊は、読経を行いつつ相当の数の性交を行い、避妊をしない状態で女性の愛液、経血、男性の精液を糊として用いて頭蓋骨(作中では御堂の先祖の頭蓋骨を使っていた)に塗布して金箔、銀箔を貼り付けて作っていくとされる。経血(女性の生理の血)も利用するため、女性が妊娠してしまうと儀式は行えず、「髑髏本尊」を完成させるためには、妊娠に備えて複数の女性が必要となり、しかも儀式に参加させる女性は高貴な血筋・美しい容姿・優れた女性であることが要求され、儀式自体の継続が非常に困難である。御堂はこの問題を「学校」(戦前は露骨に女学校だった)を作ることによって解決していたらしい。 しかし、この「祭壇」と「御堂一族」の存在が「夢の坂」における怪現象の原因の一つでこそあれ、真に恐るべき物は別に存在していた。 地下にある存在 + クリックで展開 侍が真に恐れた存在。御堂、妖怪、怨霊、そして吹雪も、これと比べればまったくの子供だましとしか言えないほどの圧倒的な力を持つ存在。 伝奇ものとして 「伝奇もの」として、ベースになっている作品が一般的な伝奇エロゲーとは大きく異なる。その意味で、シナリオなどについて大半の「伝奇ノベルゲーム」が平井和正ー菊池秀行の路線で進み、「食傷気味で飽きられた」状態になっている面があるような現状を打破する上で参考になる作品なのではないだろうか?シナリオの評価については多くのプレイヤーによる複数の視点による評価を要する作品である。 特にエロゲーのネタとして、非常に適したものと思われながら、ほとんど使われていない「真言立川流」などを1998年という非常に早い時期に使っているなど、伝奇要素とエロゲー要素を上手く絡めている点は特筆すべきことのように思う(*2)。 登場人物同士の会話 登場人物同士の会話の内容には胸に刺さるような真摯な悲しみ、苦しみを纏ったものが多い。 シナリオの設定・展開の他、こういった部分が非常に魅力的な要素となっている。 問題点 起動方法が厄介 何も知らずにディスクを入れると「インストールは出来るが起動不可能なゲーム(*3)」に見えてしまう。 下記の通り手順を踏むことで起動出来るが、気がつかず泣き寝入りした者も多く、2013年に調査が行われるまでは「起動不可能」という評価が大勢を占めた。 2000年代に著名だったレビューサイト「きむち屋総本店」のオールドレビュー(1990年代発売作品のレビューコーナー)に於いて、100点満点の評価形式にもかかわらず起動出来ないとして唯一の論外評価だった(*4)。 さらにゲームカタログ@Wikiの前身である『クソゲーまとめ@ウィキ』には2013年4月、このゲームの購入者により「ポイント:未完成商法もびっくりの起動すらしないゲーム」として記事が作成された。これにより起動不可能のゲームとして流布され、同年に再検証・再評価がされるきっかけになった。 設定ファイルの書き換え必須 ただインストールしただけでは、起動してもOPの段階でエラー落ち。「設定.dat」のファイルパスを書き換えて、初めて動く様になる(*5)。 このdatファイル、パスに改行を含むと認識してくれない。しかし、初期状態だとしっかり改行が入っている。なんでやねん。 手順を踏まないと起動出来ないことはreadme.txtに小さく書かれており、見落としてしまうと何もできない状態に陥る。詳細はこちら、もしくはこちらを参照。 ちなみに、物理的な説明書の方では「特に難しい操作は有りませんので、説明を読まなくても出来ると思います」と書いてある。嘘をつくな嘘を。 まぁ、その下に「この説明に間に合わなかったことは全て「読んでネ.doc」に記載してありますので必ず読んでください」とはあるのだが。 起動に漕ぎ着けても、ビッグ・プロローグの間はあくまでテキストを読むだけであり、画像が出るのは本編に入ってから(*6)。 環境によっては、強制終了など様々なバグの発生が報告されている。 評価点 シナリオの出来は良い。 本作が起動できないゲームとしてまことしやかに語られていた時期でも、僅かながら起動出来た人からは好意的な評価がされていた。 シナリオの出来が良いだけでなく、話の内容も今日に至るまで、他に類例・類似した作品がない独特のものになっている。 登場人物、舞台に関する設定もかなり独特。 一度読んだだけでは「気が付かない伏線の回収」「ダークなもの、黒いものが残ったまま物語が終わったこと」などについてもある程度示しておきたいとは思う。正直、これもシナリオの魅力であるのだから。 絵も、それ自体はクオリティが高い。 少々クセが強いため、好みが分かれるところではあろうが。 細かく読んでいくと、現在では入れられないCGが入っていた可能性があることに気づく人もいるだろう。 エンディングについても少し特殊なものがあり、「ダーク」ではないが「完全なハッピーエンド」はない、主人公もすべての登場人物の命を救えても心までは救済しきれないことが分かる(最終ルートで明示される)。ただし、あるヒロインとのエンディングでは、かなり「全体が丸く収まる」感じにはなる(主人公は特殊能力を失い、苦しく悲しくても、かけがえのない「想い」を皆が忘れることになるのだが)。 総評 洪水の被害によりデータを紛失してしまったのは気の毒だが、予告もなく未完成スレスレの品をフルプライスで販売するのは詐欺と言われても致し方ない。 資金繰り等の問題があったであろう事は想像がつくが、ユーザーにしてみればそれとこれとは別問題である。 2015年12月に状況は一変する。 「起動できない」と思い込まれ「クソゲー」として扱われたが、実際は起動でき、かつ「入手困難」な状況から「誰でも無料で入手できる」状態となり、シナリオの奥深さなどが再評価されることになった。 移植 2015年9月になって熱狂的なファンが現れ、権利者探しに奔走。ついには権利者に許諾を得たリメイク版を作成した。 「エロゲと饗」というサイトで無料配布された。(リンク先は18禁) シナリオは、ほぼ「夢の坂」と同じ、ビックプロローグ編ではテキストしか表示されなかったオリジナルの「夢の坂」と比べて、絵も音楽も表示・演奏され、オリジナルの「夢の坂」が動作させるのが厳しくなるWindows7以降のOSにも対応していること、現物を手に入れることが難しいオリジナルの「夢の坂」をプレイするよりも環境的には遥かに扱いやすく、便利なため未プレイ者はリメイク版をプレイすることを勧める(セーブできる個数も多い)。 ニコニコ動画では、PR用の動画としてエンディング部分が投稿されている。 2021年12月、リメイク版のダウンロード数が7,000回を超えたことを記念してお蔵入りになったエピソードを追加したスマホ版の移植が発表された。 余談 事の顛末はCD内にあるreadme.txtにて知ることが出来る。 要約すると、「静岡県内で発生した洪水被害によりマスターアップ直前のデータが入っていたHDが破損、修復を試みたものの全体の8割程度しかサルベージ出来なかった。会社の資金繰りの関係でこれ以上の遅延は出来ないと判断、そのまま販売します」とのこと。 それにしても、書き換え必須な仕様はどうにかならなかったのだろうか。 この洪水被害は平成10年台風第4号によるものである。静岡県では死傷者を出しwikipediaに独立記事が存在するほどの大雨だった。 パッチに関しては配布はおろか作っていた形跡もない。 readme.txtには「この物語の完全版を皆様にご提供させて戴けたらと考えております」と書かれていた。 Wikipediaではゲーム内容に踏み込んだ詳しい情報が閲覧できる。 本作の検証を行った赤野工作は本作が長らく日の目を浴びなかった原因は夢の坂発売の同月にわくわく☆惑星プリンセス、同年7月に夏色デスティニー(*7)という歴史的な問題を抱えたアダルトゲームが発売されていた事もあり、クソゲーとしても埋もれてしまったからと分析している。 元々acuteは『Gloria』から独立したブランドである。 第1作目はGloriaより発売された『モラトリアム』の内容追加版である『モラトリアム プラス!』(*8)で1995年8月発売。1997年に唯一の全年齢ソフト『愛があれば大丈夫』を発売している。 本作発売から約4か月後の1999年2月にアダルトゲーム3作目の『しつれん』が発売されており、それを最後に新作は出ていない。 4作目として『Costume DE PoN J』を1999年6月に発売する予定があったが、2000年へ延期となり、更に2001年1月に延期しそのまま消えていった。他にも『千の夜と一つの夜の物語』『Tell me the color』の2本を発売する予定もあったが、世に出る事は無かった。 COSTUME DE PoN Jに関しては2000年9月の段階でシナリオが5%、CGが1%程度の進行に加えてメインシステムの構築に難を抱えるという絶望的な進捗であり、CGサンプルの1枚も発表がないまま消滅した。 解散して15年以上公式サイトが残っていた。当時のアーカイブ 本作の開発途中だったと思われる状態で残っていたが、工事中という表示の通り何も出来ていない寂しい状態。サイトも満足に作成出来ないほどの窮状だったということだろうか……? 同サイトで閲覧できるチラシに、あらすじが書かれていたが…日本語がなんとも錯綜しており、今一つ内容が伝わってこない。2017年末に消滅。 チラシに書かれている発売日は1998年6月26日、実際の発売日は1998年9月25日のため延期した事が窺える。 本作及びacuteのアダルトゲーム全3作品の原画担当者は、同人サークルを立ち上げており現在も活動中。 2002年に公式ホームページの掲示板でacuteの話題が振られた事があったが、その際に『そこの新作が出ません。どうしたんでしょうかね。僕には関係無いから、どうでもいいけど。』『ああ、また過去話だわ。どうしてバレるのかしら。そんなに絵が変化してないのかしら。しくしく』と語っている。 バグのせいで手順を踏まないと遊べないゲームとして、Amiga CD32の『Kang Fu』という類例が存在する。 こちらは決まったタイミングでCDを本体に入れないとメモリ不足とみなされ、タイトル画面より先に進めなくなるというものであった。 この起動方法は説明書に記載されている。 動画による解説 + ニコニコ動画
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コットンシリーズリンク 機種 タイトル 概要 判定 本編 AC/PCE/PS/NGPC コットン Fantastic Night Dreams 魔女っ子シューティングの記念すべきシリーズ1作目。魅力的なキャラクターとコミカルなデモシーン、その見た目とは裏腹の硬派な難易度でヒット作に。PS版は『コットン オリジナル』のタイトルで発売。 良 X68k コットン Fantastic Night Dreams(X68000) AC版をほぼ一から作り直された事実上のリメイク作。前半は元のAC版に忠実である一方で後半は独自展開となる。予約特典「湯呑み」は後のシリーズ家庭用移植版及び家庭用作品での恒例となった。 Switch/PS4/Win コットンリブート! X68000版をベースに現代向け再リメイク。秋葉原のレトロゲームショップ「BEEP」のゲーム事業初参入作で、開発は『トラブル☆ウィッチーズ』の「ロケットエンジン」が担当。新魔法追加や魔法のレベル制導入、特殊ショットを活用するスコアシステムで爽快かつ派手に。オリジナルのX68000版も収録。 SFC/PS/Switch/PS4/XSX/One メルヘンアドベンチャー コットン100% 『初代』の続編。「メルヘン」のサブタイトル通りホラー色が強かった『初代』から一転して明るめの世界観に。システムは『初代』がベースだが、マジックセレクトやフォーメーション型のオプション等変更点多数。 MD/Switch/PS4/XSX/One パノラマコットン まさかの3Dシューティングに。しかし作品のクオリティは高く、特にハード性能を限界まで駆使した疑似3D描写は圧巻の一言。 AC/SS/Switch/PS4/Win コットン2 Magical Night Dreams 『初代』から6年ぶりのナンバリング続編。ライバルキャラのアプリ ニードルが初登場。当時人気だった格闘ゲームを要素を取り入れた結果システムが大きく変化した意欲作。アクション色が強い独特かつ複雑なシステムは独自の面白さを生み出す一方、ハードルが高く人を選ぶ作品。 スルメ AC/SS/Switch/PS4/Win コットン ブーメラン Magical Night Dreams 『2』のアッパーバージョン。残機チーム制になり近接攻撃の「パンチ」が追加。唯一ストーリーがなく恒例のデモシーンも簡素に。通常ショットの強化等の改善で『2』から幾らか遊びやすくなったが、システムが更に複雑化して『2』同様に人を選ぶ作品に。 DC レインボーコットン 『パノラマ』に続く3Dシューティング2作目でシリーズ初のフルポリゴン描写に。『レインボー』の名が示す通り幻想的な世界観がウリだが、3Dシューティングとしては無視できない問題点が多め。 AC/Switch/PS4/Win コットンロックンロール Superlative Night Dreams シリーズ30周年記念作と同時に21年ぶりのシリーズ完全新作。『海腹川背』シリーズの「スタジオ最前線」が開発を担当。キャラ毎に変わるシステムや増えやすい残機とシンプルにジャラジャラ感が味わえるスコアシステムによる爽快かつ豪快な作風が特徴。更に『サイヴァリア』『ザンファイン』『海腹川背』『どきどきポヤッチオ』のキャラがゲスト参戦。お祭りゲーの側面も兼ねている。 良 カップリング・オムニバス Switch/PS4/Win コットン ガーディアンフォース サターントリビュート 『2』『ブーメラン』に同社の全方向戦車STG『ガーディアンフォース』を加えた3本セット。Switch版とPS4版はパッケージ販売のみでダウンロード版は単品販売。Win(Steam)版はバンドル販売あり、 Switch/PS4 コットン 16bitトリビュート 復刻版『100%』と『パノラマ』の2本セット。こちらもパッケージ販売のみでダウンロード版は単品販売。 その他 PS2 マジカルパチンココットン パチンコ実機シミュレーション パチンコ化していたコットンをデジタルゲームとして移植。各種細かい仕様違い計5機を収録。資料的価値は高いがサブゲームなどは無し。演出面は『レインボー』がベースとなっている。 関連作品 機種 タイトル 概要 判定 DS 偽りの輪舞曲 シミュレーションRPG。コットンが参戦。 Win トラブル☆ウィッチーズ Origin! 『リブート!』の開発を担当した「ロケットエンジン」(*1)製作の横スクロールSTG。追加DLCキャラとしてコットン シルクが参戦。コットン使用時のみ『初代』BGMが選択可能でボス撃破後の「TEA TIME」も再現される。 良 Switch/PS4 トラブル☆ウィッチーズ ふぁいなる! 上記『Origin!』の家庭用機向けグレードアップ版。コットン シルクがDLCキャラで引き続き参戦。 AC/Switch/PS4/Win 海腹川背Fresh! サクセスが販売担当となり、従来作からシステムが一新されたラバーリングアクション。コットン シルクが参戦。 なし Switch/PS4/Win 海腹川背 BaZooKa!! 最大4人プレイ可能な『スマブラ』タイプの対戦型アクションゲーム。コットンとアプリが参戦。 AC/Switch かしおり お菓子を題材とした落ち物パズルゲーム。コットン シルクが参戦。 なし Switch/PS4/Win バッカニヤ 海戦をモチーフにしたタワーディフェンスゲーム。店舗特典としてコットン、カワセ、才波リアをモチーフにした乗船猫スキンが配布された。 シリーズ概要 サクセスから発売されている甘味とお茶が好みの食いしん坊魔法少女「ナタ・デ・コットン」が活躍するシューティングゲーム。 第1作目は元アニメーターの田村英樹氏による魅力的なキャラクターに加えて、当時のアーケードシューティングでは例のなかったステージ間のビジュアルデモを引っさげて登場。ゲームの方も難易度が高めながらもやり込む程着実に先へ進めるゲームバランスといった丁寧な作りでヒット作となり、開発元であるサクセスの知名度向上に大きく貢献した。その後続編作が制作されており、主人公コットンと共にサクセスの看板シリーズといえる存在となっている。作品によってはコマンド技があったり3Dシューティングになったりとシステムの変化が激しいシリーズではあるが、ストックを消費して発動する強力な「魔法攻撃」とボス撃破後のボーナスタイム「TEA TIME」は一貫して搭載されている。また、「TEA TIME」に代表されるスコア稼ぎ要素にも力を入れており、スコアアタックが熱いのも特徴である。 当時SF・メカ系の世界観が多かったシューティングにいち早く萌え要素を取り入れたパイオニア的存在と扱われる事がある。シリーズのウリであるビジュアルデモはキャラがいきいきとアニメーションし、更にギャグ要素も多いコミカルな内容でこれを目当てにプレイする人も多い。主要人物も大好物のWILLOW以外は無関心で己の欲望のままに動くコットンや真面目な性格だが裏でコットンを巧みに利用する相棒の妖精シルク等と曲者揃いである。 2000年発売の『レインボーコットン』以降長らく新作のリリースが途絶え、パチンコや他作品へのゲスト出演、コラボに留まっていたが、2021年のシリーズ30周年を期にシリーズが再始動。初移植作品も含めた過去作の現行機移植や21年ぶりの完全新作のリリースとIP活動が盛んとなった。更に「東京ゲームショウ2023」にて『コットンロックンロール2(仮題)』の開発開始が発表されている。
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Poly Play 【ぽりぷれい】 ジャンル アクションゲーム集 対応機種 アーケード 発売元 ドイツ民主共和国政府 開発元 VEB Polytechnik 稼動開始日 1985~1986年頃(*1) プレイ料金 50東ドイツペニヒ(*2) 備考 日本未発売 判定 なし ポイント 発表までの経緯が最も謎な商業作品世界にたった1台しか現存していない 概要 このページの記述について 特徴 ゲーム一覧 問題点 評価点 総評 移植 余談 外部リンク 概要 米ソ冷戦。アメリカを中心とした資本・自由主義陣営と、旧ソ連を中心とした共産・社会主義の対立である。 両者は互いに相手を「仮想敵国」とみなし、ドイツは東西に分断され、一触即発の時代であった。 本作はそんな中、分断された片割れのドイツ民主共和国(東ドイツ)で1986年頃に稼働を開始したアーケードゲームである。 旧東ドイツは自国の技術力を誇るための「コンピューター技術の研究成果発表」としてのコンピューターゲーム開発に熱心で、1980年には家庭用テレビゲーム機「BSS01」が発表されていた。 また、コンピュータゲームを用いて反射神経を鍛えて優秀な兵士に仕上げるという計画もあったらしい(*3)。 そのためか本作は驚くべきことに旧東ドイツ政府が発売元となったという稀有な商業作品のゲームで、発表までの経緯がゲーム史上最も謎だらけな作品でもある。 このページの記述について 本作は東ドイツ限定のゲームであるため、ゲームタイトル等の作中用語は全て日本名というものがない。 故に、ドイツ語の作中用語は筆者がすべて日本語に訳して、かっこ内にドイツ語を表記するものとする。 また、本作は世界でわずか3台しか現存していない。しかもそのうち2台は動作せず、動作する筐体はこの世にたった1台しか存在していない。 その動作する1台は現在、ドイツのベルリンにあるコンピュータ博物館に展示されている。このページの記述はその動作する1台を基準としている。 特徴 本作は内容の異なるアクションゲームが8つ収録されており、初めにその一覧が表示される。 プレイヤーはまずレバーでゲームを選んでボタンで決定し、コインを投入して遊ぶ。 ゲームはいずれも1レバー1ボタンというシンプルな操作体系である。 ゲーム一覧 鹿狩り(Hirschjagd)…猟師を操作して鹿を撃つトップビューアクション。 レバーで8方向に移動、ボタンでショットだが、猟師は左右のいずれかにしか撃てない。 弾数制限と時間制限があり、鹿を射抜くと弾数は1つ増えて時間制限が満タンになる。 10発すべて撃ち尽くすか一定時間経つとゲームオーバー。 うさぎとおおかみ(Hase und Wolf)…うさぎを操作しておおかみから逃げつつステージに散らばる緑の点を集める、ドットイートゲーム レバーで4方向に移動。 ただし敵(おおかみ)の数はステージ数に比例し、ステージ1なら1匹、ステージ2なら2匹といった具合。 残機は2つで、2回おおかみに当たるとゲームオーバー。 ちなみにこの『うさぎとおおかみ』は、本作に収録されている唯一のキャラゲーでもある。原作は旧ソ連で1969年から制作されたアニメシリーズ『Ну, погоди!(ヌー、パガジー!(*4))』で、おおかみがうさぎを追いかけるという筋書きのコメディアニメ。 このアニメは日本をはじめとした資本・自由主義陣営では無名だが、旧ソ連(ロシア)を中心とした共産・社会主義陣営では21世紀の現在でも有名で、本作以外でも、任天堂ゲーム ウオッチの海賊版「エレクトロニカ(Elektronika)」や、旧ソ連崩壊の直後に出たロシアの海賊版ファミコン「デンディ(Dendy)」などで、頻繁にゲーム化されている。 「ニセドイツ2」によると当時の東ドイツでは一番人気のゲームだったとか。 ダウンヒル(Abfahrtslauf)…画面の上から下へ、障害物を避けつつゲレンデを進んでいくスキーゲーム。 レバーで左右に移動。 蝶とりゲーム(Schmetterlinge)…オーバーオールを着たモグラ(チェコのアニメが元ネタ)を操作して時間内にできるだけ多くの蝶を捕まえて点数を競うゲーム。 レバーで8方向に移動して、ボタンで虫取り網を動かして蝶を捕まえる。 蝶の種類は多く、点数も種類によって異なるのでできるだけ点数の高い蝶を狙うべきである。 シューティングギャラリー(Schießbude)…レバーで左右に動いてボタンでショットを撃ち、あひるや風船を撃つシューティングゲーム。 カーレース(Autorennen)…車を運転する俯瞰視点のレースゲーム。 レバーで8方向に移動してボタンで加速。 2台ある車のうち1台を運転して、相手と競争。3周1セットのレースを2回やると、勝敗に関係なくゲーム終了。 記憶ゲーム(Merkspiel)…並んだ図形を数秒間見せられた後、隠される。その図形を正しい順番で答えるゲーム。 レバー上下で図形を選び、ボタンで決定。 図形の数はステージ数に比例し、ステージ1は3個、ステージ2は4個といった具合。 何度間違えてもOKだが、時間制限がなくなるとゲームオーバー。 水道管破裂(Wasserrohrbruch)…バケツを持った人を左右に動かして、天井から滴る雨漏りを受け止めるサイドビューアクション。ゲーム ウオッチの『オイルパニック』に近い。 レバー左右で左右に移動し、上下で画面左端にある階段を昇降する。ボタンでバケツをひっくり返す。 ゲームの流れとしては、バケツを持った主人公を左右に動かして、雨漏りを受け止める。 そしてバケツが一杯になったら画面左端に行き、レバーを上にたおして階段を登り、登った先でボタンを押してバケツをひっくり返してカラにする。 部屋が水だらけになったらゲームオーバーで、残機という概念はない。 問題点 本作はレバーの精度が低く操作も満足にできず、ゲーム自体の出来も粗が目立つ。故に8つのゲームいずれも内容がチープである。例を挙げると… 「鹿狩り」 鹿に当たっても猟師は死なない。ただの障害物扱い。 「うさぎとおおかみ」 アイテムとして登場するにんじんは、取ると音楽が変わっておおかみが赤く変色して、『パックマン』のパワーエサを彷彿とさせる…が、赤く変色したおおかみに当たるとうさぎは死ぬ。何の為のアイテムだろうか。 「蝶取りゲーム」 主人公は常時虫取り網を持ち上げているのだが、その虫取り網が邪魔で花や蝶などの多い場所が通り抜けられない。 それというのも、蝶は『鹿狩り』の鹿同様に障害物扱い。加えて蝶は花の近くに大量に来るので、4頭ぐらい蝶が来たら障害物がそれだけたくさんあるという事になる。 それならボタンで網を振って蝶を取れば…というとそうでもなく、主人公の左上または右上に来る網に当たらないと蝶が取れないという仕様のせいで近くにいるのに取れないというのがザラ。 「カーレース」 相手の車が決まったライン上しか走らないので、相手の車の前に行くと相手はずっと止まったまま。レースゲームとしての体を成していない。 どう言う訳かボタンを押して加速すると相手の車も加速する。 「水道管破裂」 右端に来て左端といった具合で、あきらかに遠すぎる位置に水滴が落ちる。 先にも述べたが本作はレバーの精度が低い。なので入力した方向に主人公が動かないのはよくあること。 例えば「うさぎとおおかみ」では横へ動いている最中に縦の道へ曲がるのが難しい。 また、「水道管破裂」は主人公が早く歩きすぎて水滴を通り過ぎる。 ほとんどのゲームには音楽がない。大抵の場合効果音やステージクリアのジングルが流れる程度。 キャラクターの動きは8ドット単位で、カクカクしている。 評価点 1台に8本ものアクションゲームが入っており、収録タイトルのバランスは悪くないこと。 バリエーションは豊富で「トップビューアクション」「サイドビューアクション」「スポーツ」「パズル」などの当時の基本ジャンルは押さえている。 しかも中にはキャラゲー(『うさぎとおおかみ』)も含まれているので、お得感がある。 ゲームは作りが粗いが、バグはない。 その上512 x 256という、86年当時としては凄まじい高解像度。ファミコンの画面が2面分以上、といえば分かりやすいかもしれない(*5)。 筐体は木目調が渋く趣があり、古き良き旧東ドイツの味がある。 総評 本作は1986年頃に発表されたが、1986年といえば日本ではFCですでに『スーパーマリオブラザーズ』や『悪魔城ドラキュラ』等の名作アクションゲームが多数発売されている。 にも拘らず、本作に収録されているアクションゲームは全て、それより何年も前のクオリティ。 だが、当時は米ソ冷戦によって日本の会社である任天堂はFCをアメリカや西ヨーロッパの西側諸国には輸出できても、東ドイツをはじめとした東側諸国には輸出できなかった。 当然、東ドイツの人間は西側諸国でどのようなゲームが流行っていたか、ということなどを知る由もなく、彼らにとってはこのようなゲームを作るのが精一杯であった。 それらの事情を考慮すると、ゲームのクオリティが発売年の世界標準に対して不相応なことを責めるのはいささか理不尽というものである。 また、同様の理由で同じく東側諸国のソビエト連邦では、海賊版ゲーム ウオッチ「エレクトロニカ」や海賊版FC「デンディ」に加え、海賊版ZXスペクトラム「Orion-128」等があたりまえに流通しているのは勿論の事、それらのゲームソフトも海賊版が多い。 そしてソ連等の共産・社会主義陣営ではゲームのみならず漫画やアニメの海賊版もあり、それらの海賊版をオリジナルだと思う人も多かったりする。 米ソ冷戦がサブカルチャーの分野で大きな隔たりを与えていたと思うと、感慨深いものである。 移植 その後、東ドイツは西ドイツに領土を編入されるという形で消滅し、現在のドイツに至る。 しかし東西での経済格差は依然大きく、今でも東ドイツ時代を懐かしむ人々がいるのは事実である。 なので本作は、あろうことか東ドイツ時代を懐かしむ有志の手によって同人ゲームとしてWindowsに移植されている。 東ドイツ唯一のゲーム作品だからなのか、アーケードゲームという仕様を最大限再現しようとオンライン上でのスコアランキングに対応していたり、公式サイトでゲームのルールやテクニックについてドイツ語で解説していたりと、無駄に注力されている。 故に同人作品でありながら移植度は高く、近くにいる蝶が取れない仕様などの作りの粗さも再現されている。 ここまで忠実に移植できたのは、8ドット単位でキャラクターが動いたりプログラムが荒削りだったりするという問題点が逆に移植のハードルを下げたという理由もあるからだろう。そこらの良作からクソゲーへの劣化移植にも見習って欲しいものである。 有志による移植版のサイトはこちら。日本語の情報や操作説明はこちら。 余談 本作は出自から作者から何から何まで、インターネットが発達した現代でも謎だらけである。 本作は当時カールマルクス・シュタット(現:ケムニッツ)にあったVEB Polytechnikという会社が、旧東ドイツ政府の下請けとして開発したらしい。 当初は1,500台ほどが東ドイツ全土に送り出されたのだが、東ドイツにゲームセンターというものは存在しなかった。 故に、筐体はプールや文化センターなど、若者が集まるような公共施設に設置されたらしく、ベルリンのスポーツセンターには本作の筐体が42台あったらしい。 しかし、ベルリンの壁崩壊の直後に、本作はなぜか製造元の工場に戻されて殆ど廃棄処分にされた。しかし、その運命を逃れた筐体もごく少数だがこの世に存在しており、そのうち確認されているのが先ほど話に出た3台である。 筐体は一つ一つ手作りだったらしく、この3台はいずれもボタンの数や配置が異なっている。 が、3台全てゲーム内容は同じらしく、これらの事から本作は「汎用筐体のゲームである」という可能性が高い。 本作に収録されている8本のうち、キャラゲーである「うさぎとおおかみ」をのぞいた7本のゲームの著作権は、VEB Polytechnikと旧東ドイツ政府にあった。 だが前者は本作の著作権を政府に手放して解散したらしい上、当然ながら肝心の旧東ドイツ政府も消滅している。 つまり、本作に収録されている7本のゲームは権利者が不在で、事実上の著作権フリーらしい。 ちなみに『うさぎとおおかみ』の原作『Ну, погоди』は2039年に著作権が失効するとのこと。 外部リンク ゲームレガシー:旧東ドイツで唯一作られた正体不明のアーケードゲーム機 「ポリプレイ」(Poly Play) 英語版Wikipediaにおける本作の記事 The International Arcade Museum
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オバケのQ太郎 ワンワンパニック 【おばけのきゅうたろう わんわんぱにっく】 ジャンル 横スクロールアクションゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 バンダイ 開発元 トーセ 発売日 1985年12月16日 定価 4,900円(税別) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 腹減るの早すぎ街の全てから迫害されるオバQ 藤子不二雄関連作品シリーズ 概要 ゲーム内容 問題点 評価点 総評 余談 概要 当時テレビで放送されていた人気アニメ『オバケのQ太郎』(第3期)をゲーム化したもの。 主人公であるQ太郎が、犬などの敵キャラをかわしつつ、ステージ途中で手に入る届け物を、ステージ最後で待っているキャラクターに届けたり、誘拐されたオバケの仲間を助けだす事が目的の横スクロールアクションゲーム。全12面。 ゲーム内容 操作方法 十字ボタン+2ボタン(ジャンプ、ガウガウ砲発射)。 画面上部にはパワーゲージが表示されており、時間経過で減少していく。 Bボタンでジャンプ中、Bボタンを押しっぱなしにすると空中に浮かぶ(飛ぶ)ことができ、十字ボタン8方向で自由に動けるが、飛行中はパワーゲージの減少が激しくなり、ゲージが一定量以下になると強制的に地上に降ろされてしまう。 敵や敵の攻撃に触れたり、パワーゲージが全て無くなったり、ゲーム中の時間で20時(午後8時)を過ぎるとミスとなる。 アイテム リンゴ、ブドウ、おにぎり、団子、ケーキ パワーゲージが一定量回復する。ステージ中盤および大部分のステージの終点では大量に出現し、ちょうど中間地点のSТOPマークのある地点ではその画面にある食べ物を全て食べると届け物が出現し、ステージの最後(*1)では窓の所に出現し食べるとそこの窓が開き、スカ、犬、目的のキャラクターのいずれかが出てくる。 Qマーク 特定の食べ物を取ると出現。パワーゲージが食べ物よりも多く回復し、かつ半透明になって一定時間無敵となるがワンワン砲にあたると即座に無敵が切れる。 スペシャルキャンディー 取るとAボタンで飛び道具「ガウガウ砲」により、敵を倒す事が出来る。1つ取ると4発発射可能で、重ね取りすることによって9発までストック可能。ミスするかステージをクリアするとゼロに戻る。 また、いくつかのステージ中の穴に落ちると真っ暗な1画面の「地獄」に落とされ、いくつかのステージではある場所からアイテムがいっぱいの「天国」に飛ばされる。 問題点 当時の子供たちに人気のあった『オバQ』だから難易度も子供向け…かと思いきや、これが大人でも相当手こずるほど難しい。きっちりとパターンを組む必要があり、いい加減なプレイでは1面すらクリアできない。 Q太郎の移動速度はかなり遅い。ジャンプは空中制御こそ可能だが、非常にもっさりしており、上昇も下降も遅い。Bボタンでジャンプというあまり馴染みの無い操作方法もさることながら、不用意なジャンプはすぐにミスにつながる。 ゲーム開始直後から、Q太郎を正確に追尾してくる子犬が出現する有様。 原作通り、Q太郎が苦手な犬は敵キャラクターであり、触れれば当然ミスになるのはいいとしても、スズメやカラス、風船や工場の煙突から出る煙(*2)に触れてもミスになる。 犬も吠える奴がいて「ワンワン砲」を飛ばして攻撃してくるが、リーチ、速度ともQ太郎のガウガウ砲を上回る。安易にガウガウ砲で倒しに行こうとすると先にやられやすい。 また、子犬、ブルドッグ以外の、チャウチャウ、スズメ、カラスといった敵にはガウガウ砲は一切通用しないので、避けていくしかない。 地獄に落ちた場合、見えない足場を使って脱出せねばならないのだが、これがかなり難しい。しかもこの地獄ではミスしても残機が減らない代わりに脱出できなかったら延々とやり直しさせられる。 難しさに拍車をかける要因として犬の配置があげられる。ガウガウ砲を撃てるようにキャンディーも設置されているものの子犬、ブルドッグ、チャウチャウと総動員で来るため攻撃だけでなく避けも駆使する必要があるため。 おまけに、10面以降は特定の場所を通ると出現するジュエルを取らないと画面上に食べ物が出現しない始末。終盤は敵キャラに加え、パワーゲージ切れの恐怖とも戦わなければならない。 12面をクリアすると1面にループする(*3)が、1周するごとに難易度が上がっていく(*4)。 評価点 時間経過に伴って空の色が変わる。開始直後の朝なら濃い青、昼間なら水色、夕方ならオレンジ、夜なら黒、といったもの。 Q太郎は犬が苦手、空を飛べる、消える事が出来る、といった原作の設定がきちんとゲームに生かされている。 顔だけとは言え、ハカセ、神成さん、ドロンパ、正太、ゴジラ、小池さんといった主要キャラが一通り登場する。 総評 「子供向けのゲームだと思って簡単だと思ったら大間違い」というバンダイからのメッセージが込められているような作品。 ある意味原作以上に強い犬の存在の前に、当時の多くのチビっ子が撃沈されていったのは想像に難く無い。 極端に遊べない出来ではなく、原作をきちんと活かした特徴あるシステムにも光るものがある。 だが、バランスの悪さが惜しまれ、いかにもバンダイらしい作品であった。 よく出来たシステム・構成に高難易度を組み合わせた本来キャラゲーのガワを被せる必要も無い作品だが、バンダイ発売の必然でキャラゲーになってしまったせいで内容に釣り合わない低年齢層のプレイヤーを呼び寄せ、不当な評価をされてしまった感がある。 余談 大会の景品として金色のカセットがプレゼントされた。Q太郎の色が金色になっていること以外は、通常版と同じ内容である。 本作発売後の翌年には海外でも発売されており、タイトルが『Chubby Cherub』でQ太郎が天使になっている。 当時の特撮番組で、このゲームが使われる場面があった。 『世界忍者戦ジライヤ』第1話で、主人公闘破の義妹ケイがお菓子を食べながら楽しそうにこのゲームをプレイしているシーンがある。 『巨獣特捜ジャスピオン』第42話で、登場人物の浩がこのゲームをプレイしているシーンがあるがBGMが差し替えられている。 『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』第5話で、主人公のぱいぱいがこのゲームをプレイしているシーンがある。 こちらでもBGMが差し替えられており、なぜかFCマクロスの小白竜。 どうしてそんな組み合わせなのかは謎。BGMは中華繋がりと分かるが……
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ナムコットファミリーシリーズリンク ファミリーシリーズ作品 機種 タイトル ジャンル 概要 判定 プロ野球ファミリースタジアム(ファミスタ) ファミスタシリーズ ファミリージョッキー FC ファミリージョッキー RCG 競馬のレースゲーム。現在でも競馬系ゲームのバイオニア的存在。クラシックレースが現実と全然違う超長距離で障害戦なのはご愛嬌。 良 GB ファミリージョッキー 上記のアレンジ移植版。難易度が上昇した反面、救済としてか某漫画の風馬が裏技で登場。 良 ファミリージョッキー2 名馬の血統 バーコードボーイに対応し、当時の競馬ゲームの主軸である育成要素もあり。 ファミリーマージャン FC ファミリーマージャン TBL 点棒やサイコロなど実際のアナログマージャンを再現した事実上の麻雀教科書。 なし ファミリーマージャンII 上海への道 筐体麻雀ゲームに近いものに大幅モデルチェンジ。アナログ再現から一転ゲームらしいスタイルに。 ファミリーテニス FC ファミリーテニス SPG たくさんの選手パターンが用意されたテニスゲーム。宇宙コートのありきのバランスのせいで他はサーブに少々難あり。 SFC スーパーファミリーテニス FC版の正統進化版。コミカル要素いっぱいのオリジナルモード「栄光の南十字星」が目玉。 GBA ファミリーテニスアドバンス ファミリーサーキット FC ファミリーサーキット RCG 様々な手広いセッティングができるレースゲームでF1世界選手権の再現もあり。 良 ファミリーサーキット 91 SFC スーパーファミリーサーキット その他単発作品 FC ファミリーボクシング SPG ステータスを割り振って戦うボクシングゲーム。多彩なゲームモードがあり選手を育成してカセット間で対戦もできる。 良 ファミリーピンボール TBL 王道な1人用ピンボールから対戦まで用途は幅広いバラエティピンボール。 良 SFC スーパーファミリーゲレンデ SPG SFCでは珍しいスキーのゲーム。ニンテンドウパワー専用のためマイナー作品。 姉妹タイトル・ワールドシリーズ 機種 タイトル ジャンル 概要 判定 プロ野球ワールドスタジアム ワールドスタジアムシリーズ その他単発作品 PCE/AC プロテニス ワールドコート SPG ファミリーテニスの発展形で、PCエンジン版では一風変わったテニスのファンタジーRPGが楽しめる。 PCE ワールドジョッキー RCG 初作のゲーム性を引き継ぎつつ4人対戦や、現実のジョッキーのように様々な馬に乗る『ジョッキーモード』などを搭載した発展形。 ワールドサーキット RCG 関連作品 機種 タイトル ジャンル 概要 判定 FC ナムコット麻雀III マージャン天国 TBL 「ファミリー」と冠していないが『III』とあるように実質『ファミリーマージャン』の3作目。 MSX2 センターコート SPG 根本的には『ファミリーテニス』の移植だが『ワールドコート』の選手も登場。 ファミリーボクシング MSXタイトルマッチ SPG ソニー発売でナムコのクレジットもないが、根本的には『ファミリーボクシング』の移植。 SFC バトルジョッキー RCG 『ファミリージョッキー』のSFC版として開発されていたものをヴァージンゲームがライセンスごと譲り受けて発売。実質的な『スーパーファミリージョッキー』。 Switch ナムコットコレクション FCのオムニバスソフト集。『ファミリージョッキー』『ファミリーサーキット』『ファミリーピンボール』を購入可能。 GB ナムコギャラリーVOL.3 GBのオムニバスソフト集。GB版『ファミリーテニス』が収録されている。 関連シリーズ ファミリートレーナーシリーズ - 元々はバンダイが発売した専用の「マットコントローラー」を使って「体でプレーファミコン」としてファミコン時代に展開したシリーズ。一度は途絶えたが2008年にWiiで復活。こちらは源流こそバンダイ作品ながらバンダイと合併した後に発売されたWii作品以降は自社タイトルとなり偶然ながら名前が被っていることもあってか本シリーズの作品という認識になっている。 シリーズ概要 ナムコから発売された主にスポーツをはじめとした様々なジャンルが入り乱れたシリーズ。 1986年12月に発売した『プロ野球ファミリースタジアム』異例の超特大ヒット(*1)にはじまり以後、スポーツや現実にアナログで行われている様々なものをゲーム化し『ファミリー』の名を冠されるようになる。 1987年に入ると上記に追随して『ファミリージョッキー』『ファミリーボクシング』『ファミリーマージャン』と続き、その後も様々なジャンルが発売される。 結果的にファミコン草創期に任天堂が出していた『麻雀』『ベースボール』『F1レース』といった基本スタイルな無印タイトル系ゲームのナムコ版といった感じになったシリーズ。 初作品『プロ野球ファミリースタジアム』はその中でも、特別な存在となり毎年順当に新作をリリースし『プロ野球ファミリースタジアム 88年度版』まで3作品続けてミリオンヒットを飛ばし1989年の『ファミスタ 89 開幕版!!』からはそれまでの愛称『ファミスタ』を正式タイトルに据えて、本シリーズの下位シリーズとして半ば独自のシリーズを構築していくことになる。 更にシリーズの強みとして販売価格のお手頃さも見逃せないポイント(*2)。 『プロ野球ファミリースタジアム』の大ヒットの影響で1988年にはファミコン外での初展開となる『プロ野球ワールドスタジアム』をアーケードで導入し、PCエンジンでも発売。 以降アーケードやPCエンジンといった路線(任天堂プラットフォーム以外)では『ワールド』を冠し、姉妹シリーズとして展開していく。 『ファミリー』と冠したものとしては『ファミリークイズ』(1988年10月 アテナ)や『ファミリートレーナーシリーズ1 アスレチックワールド』(1986年11月(*3) バンダイ)から続く『ファミリートレーナーシリーズ』(10タイトル+国内未発売1タイトル)などが存在するが、ナムコによるものではないため本シリーズには含まない。 だが後者を発売したバンダイとは後の2005年に合併し「バンダイナムコゲームス(通称 バンナム)」となりWiiなどでシリーズ作品を久しぶりに出すことになった。 こちらは名前が被っていることもあってか本シリーズの作品という認識になっている。 2000年代以降は『ファミスタシリーズ』以外では上記『ファミリートレーナーシリーズ』がほんの一部ある程度で、それ以外の作品の発売は限りなくゼロに近く野球の『ファミスタシリーズ』にほぼ一本化されている。
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コットン Fantastic Night Dreams 【こっとん ふぁんたすてぃっく ないと どりーむす】 ジャンル シューティング 対応機種 アーケード (セガ・システム16B) 発売元 セガ・エンタープライゼス 開発元 サクセス 稼働開始日 1991年3月 プレイ人数 1~2人(交互交代プレイ) 判定 良作 ポイント 萌え系STGの先駆者コミカルなデモシーン硬派なゲームバランス コットンシリーズ 概要 ストーリー 主要キャラクター 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 移植・リメイク 続編 余談 概要 ホウキに乗った魔女っ子コットンを操作し、ステージを突破していく横スクロールSTG。 現在では「萌え系STGの先駆者的作品」と言われているが、見た目と違って硬派な難易度とステージの合間に挟まれるコミカルなデモシーンで人気を獲得した一作である。 ストーリー ある日突然、闇の波動が光のプリズムを吸い込み始めてしまい、世界は夜の闇に閉ざされ、人々は不安な生活を送っていた。 …が、そんな事には全く無関心な魔法使いナタ・デ・コットン(*1)の前に、妖精シルクが現れ、コットンに世界を救ってもらおうとするもコットンは無視。 仕方なくコットンの大大・大好物である妖精界の特産品「WILLOW」(*2)を餌に、コットンに戦ってくれるよう説得し、まんまと釣られたコットンはシルクと共に旅立つのだった。 主要キャラクター ナタ・デ・コットン 主人公。年齢不詳(精神年齢5歳)の(今で言う)魔法少女。魔法使いとしては優秀だが基本的にWILLOW以外には興味がない。 シルク コットンの相棒となってしまう妖精。何気にスタイルが良くビキニの様な服装をしたエロセクシーな18歳の小美人。いつもコットンに振り回される苦労人。 + ネタバレ 本作では一見シルクがコットンに振り回されているように見えるものの、実はシルクがコットンを騙していいように利用しただけであり、コットンは寧ろ被害者側である。(*3) 特徴 1レバー2ボタン操作。 Aでショット、Bで投下型の対地ボム。Aを長押しすると魔法アイテムを消費して使用出来るチャージショット(魔法)が撃てる。更にAとBを同時に長押しすると別の魔法が使える。 妖精がオプションとして付き、『グラディウス』のオプションのようにコットンの後をトレースしながら攻撃する。妖精が中ボス、ボス以外のザコ敵に触れるとその敵に張り付いてダメージを与え続ける。また、Bボタンを長押しすると妖精がコットンの周囲を回り始め(*4)、その状態からBボタンを離すと突進を行う。この突進は魔法攻撃と同じく地形越しの敵を攻撃できる。 妖精が石になった妖精石をショットで破壊すると付いてきてくれる。妖精は最大で6体まで装備可能。 残機を失うとショット、ボムのレベルが下がり、妖精を一体消費して画面内の敵全体にダメージを与えてくれる。ただし最初から付いてくる妖精(シルク)は消費されない代わりに全体ダメージも与えない。 コットンが地形に触れても通れないだけでミスにはならない。ただし復帰時の無敵時間中は地形の中も移動可能で、無敵が切れた時に地形の中にいるとミスになるので注意。 敵を倒したり、敵が落とす黄色いクリスタルを取ると画面下のEXPゲージが溜まり、ゲージ最大まで溜まるとショットが強化されていく。最大12段階まで強化される。 クリスタルは撃ち続けると色が変化し、色によって効果が変化する。ただし、撃ち込みすぎると壊れて消滅してしまう。濃い黄色はEXPゲージの増加量アップ、赤と青は魔法アイテムのストックを増やす(最高6個まで)。 たまに巨大なクリスタルが出現する事もあり、こちらの方が取得時の効果が高い。赤、青の場合は魔法が複数個一度に補充される。 また、敵が落とすボムアイテムを取得するとボムが強化される。発射可能数が増え、最終的に地形を滑走するようになる。 + 魔法一覧 Aボタンチャージのみで使える魔法。 火竜 -FIRE DRAGON- 前方に飛んで行く炎のドラゴンを召喚する。持続時間や範囲が狭い分威力が高い。ストックの先頭が赤魔法アイテムの場合に使用。 雷 -THUNDER- 前方広範囲に広がる雷を放射する。持続時間が長く、使い勝手が良い。ストックの先頭が青魔法アイテムの場合に使用。 A+Bボタンチャージで使える魔法 とんでけ~ -FIRE FAIRY- 妖精を炎に包んで発射するホーミング弾。その特性上連れている妖精の数が多い程効果を発揮する。ストックの先頭が赤魔法アイテムの場合に使用。 バリア -BARRIOR- バリアを形成して防御する。バリアは一定時間経過か3発攻撃を受けると解除される。敵に重なると高得点なのでハイスコアを狙う時のお供。ストックの先頭が青魔法アイテムの場合に使用。 ステージをクリアするとボーナスである「TEA TIME」が始まる。 上から降って来る湯飲みの取得数に応じてボーナススコアを得られる。全ての湯飲みを避けるとシークレットボーナスが発生し、より高いボーナスを得られる。 最終面のみTEA TIMEは発生しない。 ステージ中に配置されている「アイタタ地蔵」を攻撃し、画面外に逃がすと妖精や巨大クリスタル等のアイテムを持って一度戻ってくるが、画面外へ逃げる前に破壊するとボーナスを得られる。 全7面の2周エンド構成(*5)。エンディングは1周目で流れる。これは2周目をプレイする際は追加クレジットが必要となっているため。 基本的にはその場復活だが、同じステージで偶数回目のコンティニューはステージ最初からとなる。代わりに救済処置としてアイタタ地蔵がアイテムを運んで来てくれる。 2周目は敵の耐久値が増加される。残機と装備状態は初期状態へリセット、魔法のストックだけ1周目から持ち越しできる。また、デモシーンはカットされる。 評価点 ステージ間のデモシーン。 当時のアーケード向けSTGにおいて家庭用作品のようなビジュアルデモの導入は例がなかったこともあり、プレイヤーに強いインパクトを残した。 ストーリー説明も一応兼ねているが、実際の所はほぼコットンとシルクのコント。WILLOWに目がないコットンと何としてでもコットンからWILLOWを守ろうとするシルクのやり取りが面白く、これのために先を見たくなる。 ストーリーも基本的にギャグ調でコミカル。エンディングのオチも笑わせてくれる。 キャラクターのグラフィックや演出はレベルが高い。 デモシーンでは主にデフォルメされており、いきいきとアニメーションする。これも面白さに貢献している。 一方、タイトル画面やステージクリア時などはリアル状態で、特にステージクリア時のシルクはとてもエロセクシーに描かれている。 なお、キャラクターデザインやストーリーは元アニメーターの田村英樹氏が担当しており、高クオリティも納得である。 地味な特徴として敵が撃ってくる飛び道具は一般的な汎用の敵弾グラフィック(*6)を使い回す手法を採用せず、各敵の攻撃手段に合わせた専用のグラフィック(弓矢で攻撃する敵は矢、歌声で攻撃する敵は音符マーク等)が用意されており、世界観の構築に一役買っている。 音楽。 印象的で耳に残るBGMが多い他、キャラクターボイスが入っているのも当時のSTGとしては特徴的。 「こいーん」「いっくぽ~ん」「てってけてー」などセリフも印象に残りやすい。 賛否両論点 見た目に反して硬派な難易度 撃破後の落下中も当たるとミスになる1面中ボス周囲の岩、第二形態の分離したパーツによる複合攻撃で苦しめる2面ボス、狭い通路を進んでいく3面序盤等、序盤から嫌らしい場面が見られる他、コットン自身の当たり判定も大きいため咄嗟の回避が難しく、覚えゲーの傾向が強い。とはいえパターン構築すれば問題なくクリア可能なレベルで、その場復活(*7)やアイテムが出やすく魔法も撃ち放題など、難易度高めながらゲームバランスは練られている。 ラスボス含め一部安全地帯が存在するので、これらを活用すればいくらか難易度は下がる。 敵の配置やボスの攻撃パターンなどは憶えやすい方なので、STG全体の中では中堅くらいであろう。 コミカルなストーリーに比べ、シリーズで最もホラー色が強い作風。ザコ敵は一応比較的可愛らしくデフォルメがされてるが、その一方でボスは不気味な奴が殆ど。 尤も魔法少女と裸同然の小美人が気味悪い怪物と闘う光景に興奮する人も居るかもしれないが。 続編作では本作のような不気味なボス敵が減り、明るい世界観へ方向性をシフトしていったため全編通してホラーチックなテイストは、結果的に本作の特色として扱われている。 2人交互プレイ時の特殊性 当作品は2人同時プレイを採用せず、当時としても廃れかけていた「2人交互」プレイ方式を採用しているのだが、他作品の交互プレイとは異なり、「プレイヤーがミスする度に相方のプレイヤーが途中のプレイを引き継ぐ」というリレー形式を取っている。 これにより1P側がノーミスでクリアしてしまった場合、2P側は 一度もプレイ出来ない状態のままゲームオーバー というとんでもないオチが発生してしまうのである。 もっとも、このゲームで2人プレイをするプレイヤーは殆どいないと思われるが、疑問としか思えない仕様である。 問題点 ステージのグラフィックがやや古め 当時としてはやや旧式のシステム16B基板を採用している為、当時の基準からしても少々古臭さは否めない。闇に閉ざされた暗い世界観設定も、これに拍車をかけている。 連射が必須 全体的に敵が硬く、高威力のボムが当てづらい(*8)事もあってショット連射に頼りがちなゲームとなっているが、連射機能は存在しないため腕に負担がかかりやすい。 序盤はまだいいが、中盤を過ぎた頃には硬い敵の処理が追い付かず、地形の狭さと相まって簡単にミスしやすくなる。地形接触ダメージがないのは救いだが、見えないところから飛び出て来る敵もいるため油断はならない。敵の耐久値が増す2周目での過酷さはいわずもがな。 実はインストには書かれていないのだが、ショットボタンを押したままボムボタンを適当に押す事でショットが速度の速いセミオート連射になるという隠れた仕様がある。これに気付けば魔法をチャージしながら連射可能になり、いくらか楽になる。 道中の硬い敵に対しては出現位置を覚えた上での妖精の突進攻撃が有効であり、連射装置がない環境では重要度が増す。 なおゲームプレイに実害が出るものではないが、アーケード版では外部連射装置を使うと処理落ちでBGMのテンポがスローになってしまう現象が発生する。 総評 コミカルなデモシーンが非常に印象に残りやすく、横STGとしても歯ごたえのある難易度で、多くのファンを獲得した作品である。 「魔女っ子STG」はこの後『マジカルチェイス』『ガンバード』『トラブル☆ウィッチーズ』などのフォロワーも登場しているため、ある種の始祖作品という重要な立ち位置にある作品と言える。 移植・リメイク PCE コットン Fantastic Night Dreams ハドソン発売。移植としては一番乗り。見た目の移植度はかなり高い方ではあるが、キャラと背景の比率等がオリジナル版とかなり異なっており、プレイ感覚にやや違和感が出る。また最終ボスの攻撃がアーケード版と全く異なっている。 SUPER CD-ROM2で発売されたためストーリーデモがフルボイスになっており、コットンの声優がちびまる子ちゃんでおなじみのTARAKO氏に変更されているが、声質が全く違うためこの点はやや賛否両論。 一方でシルクは笠原留美氏が担当。こちらは全く違和感がない。 BGMは『ウィンズ・オブ・サンダー』や『銀河婦警伝説サファイア』で知られるT s Musicがアレンジを担当。激しいロック調になっている。 なお、テキスト文は日本語の他にも英文と中文にも対応しているが、英文に関してはアーケード版の海外版とも異なる内容になっている。 X68000 コットン Fantastic Night Dreams エレクトロニックアーツ・ビクター販売。AC版を一から作り直したフルリメイク作で、後半に進むに従ってステージ構成やボスがオリジナル版とは全く異なる展開になっていく。 一方AC版にあったタイトル画面での誤表記(後述)はこの移植版ではあえてそのままになっている。 X68000純正キーボードには一部のキーにLEDランプが付いており、BGMに合わせてリズミカルに点滅する仕組みになっていた。 余談だが、家庭用コットンではお約束の販促物である『湯飲み』はこのX68K版の予約特典が初出である。 詳しくは後述するが2019年5月に秋葉原のレトロゲームショップ、BEEPのゲーム事業参入第一弾となる『コットン リブート!』の発表に合わせ、X68000版を再パッケージ化した復刻版が受注販売された。 X68000復刻版の独自要素として後述のコラボ先となった『トラブル☆ウィッチーズ』の主人公「プリル」で遊ぶモードが追加されている。 2023年2月21日にプロジェクトEGGにてオリジナル版が配信開始。 PS コットン オリジナル アーケード版の移植。見た目の再限度はほぼ完璧だが一部演出面とゲームバランスが変化している。 魔法攻撃の火力が強化される等全体的にアーケード版と比べて難易度は下げられているが、何故か6ボスのみ大幅に強化されている。また、こちらもラスボスの挙動がアーケード版と異なる。(X68000版に近い挙動) 後発の移植でありながらオプションにキーコンフィグがなく、不満点に挙げられやすい。BGMは内蔵音源によるアレンジになっており好みが分かれる。 後にSuperLite1500シリーズで廉価版が発売された。現在はプレミアがついているが、廉価版がゲームアーカイブスで配信中のため、プレイ自体は容易。 NGPC コットン -Fantastic Night Dreams Cotton- サクセス直々の移植。再現度は高いが、画面の表示サイズが小さいためやや窮屈。 例に漏れず、こちらもプレミアが付いており、2022年初頭の中古販売価格が10万円を超えてしまっている。 PS4/Switch/Win コットン リブート! 2019年5月に秋葉原のレトロゲームショップ“BEEP”のゲーム事業参入第一弾として発表された。 開発は『トラブル☆ウィッチーズ』のロケットエンジン。X68000版をリファインしたバージョンと現代風アレンジバージョンの2本立て移植となっている。 アレンジバージョンは新魔法攻撃や魔法攻撃レベルの追加、浮遊するクリスタルにショットを当てると放てる「スプリットショット」、現代らしいジャラジャラ感が味わえるスコアシステム「ジュエルフィーバー」と爽快感溢れる内容に仕上がっている。また一度アレンジバージョンをクリアすると隠しキャラとして「シルク」が解禁され、無料アップデート適応後は更に下記の『2』初出のキャラである「アプリ」「ニードル」も追加で解禁される。 BGMアレンジ担当が近藤いな、荒川憲一、川田宏行、佐藤哲郎(*9)、松本大輔、細江慎司、並木晃一、小倉久佳とアーケードゲームやSTGの作曲を務めた豪華メンバーとなっており、各ステージ事にアレンジャーの個性が光る激しいアレンジBGMを搭載している。 当初は2020年春の発売予定だったが夏になっても発売どころか続報すら無く、「夏も終わろうか」と言う頃になってようやく発売日を2021年2月25日とすることが正式発表され、同日に無事発売された。 当初はWindows(Steam)版も同時発売予定だったがPS4/Switch版発売直前に公式サイトからSteamのロゴマークが削除され、このまま発売中止かと思われていたが、公式Twitterで2021年11月に配信開始予定であることが告知され、同時にSteamの販売ページも公開。その後、告知通り2021年11月11日に配信が開始された。なお、Windows版の発売が延期された理由について公式からのアナウンスは未だにない。 アストロシティミニ コットン Fantastic Night Dreams アーケード版のエミュレーション移植。稼働開始29年目で初のアーケード版の内容そのままの忠実移植。 更にセガ販売の作品でありながらセガ製ハードへの移植もこれが初となった。 ショット連射ボタンが実装されているが、各種設定が変更不可なのが難点。またアーケード版にあった処理落ちがなくなっている違いがある。 他にもセガが当時メガCDへ移植する予定だったが、早々に開発中止となっている(*10)。 続編 SFC/PS メルヘンアドベンチャー コットン100% データム・ポリスター発売。グラフィックやデモシーンを一新した新作。PS版がゲームアーカイブスで配信中。 魔法が2種類増え、魔法の構成を4種類から選択できるマジックセレクトが追加されている。魔法ボタンが別に用意されたためオートショットになっていたり、オプションがフォーメーション型に、世界観もメルヘンテイストになっているなど変更点多数。 一方、元々『初代』のSFCへの移植として企画された名残(*11)からか、ステージ構成に『初代』を彷彿とさせる場面が点在する。 2021年10月にドイツのパッケージ専門パブリッシャーであるSLGにより、PS4とSwitchに移植が決定、更に海外未発売だったSNES版のパッケージ版の発売も発表された。日本では単品のダウンロード版を2022年10月27日に発売し、『Cotton 16BIT トリビュート』として下記の『パノラマコットン』と共に収録。こちらは2022年10月28日に発売。2023年12月7日には、単品のダウンロード版がOne/XSXでも発売された。 MD パノラマコットン サンソフト発売。従来とは一転して3Dシューティングになった異色作。回転・拡大縮小をハード側でサポートしていないMDとは思えない程のダイナミックな演出が特徴。残機制からライフ制となっているが、溜め撃ちや魔法も健在で元のコットンらしさは損なわれていない。一方で高難易度で知られており「遊び半分では1面のクリアもままならない!」という意見も。 MD晩期に発売で出荷数が少ない事(*12)もありプレミア化している。2018年の報告では中古販売価格が何と5万円を記録している。 2021年10月にドイツのパッケージ専門パブリッシャーであるSLGにより、先述のコットン100%と共にPS4とSwitchに移植が決定すると共に、GENESIS版のパッケージ版発売も発表された。日本では上記通り単品のダウンロードソフトおよび『Cotton 16BIT トリビュート』の収録作品として発売。2023年12月7日には、単品のダウンロード版がOne/XSXでも発売された。 AC/SS コットン2 Magical Night Dreams 横スクロールライフ制(*13)。二人プレイがリレー方式の交互プレイから同時プレイに変わり、敵を掴んでからの投げ攻撃やコマンド入力による特殊攻撃が追加された。セガサターンの互換基板「ST-V」の性能を駆使した演出面は高品質である一方、システムが大幅に煩雑化してるためやや人を選ぶ作品。詳細は単独記事を参照。 2P側の主人公としてアプリ・ケ・パンプキン&ニードルが初登場。コットン シルクのライバルキャラとして度々登場していく。 AC/SS コットン ブーメラン Magical Night Dreams 『2』の翌年に稼働した『2』のマイナーチェンジ版。ライフ制から残機チーム制へ変更。プレイヤー選択が実装され、シルクとニードルが単独でプレイアブルキャラになった。チーム制になったことや弾消しができる「パンチ」が追加されて『2』よりシステムが更に複雑になったが、『2』では使い勝手が悪かった通常ショットの強化や「バリア」の復活等、癖が強かった部分が改善されて遊びやすくなった。一方でゲームバランスも手が加えられており、高速弾主体の『2』に対して弾幕シューティング寄りの調整になっている。詳細は単独記事を参照。 DC レインボーコットン 再び3Dになった。(*14)こちらはポリゴンを駆使してフル3D化。恒例のデモシーンはアニメになり、ステージ中は妖精同士による掛け合いが繰り広げられる(*15)。システムは大方『パノラマ』を引き継いでいるがスピードチェンジが廃止され、ライフ回復の方法も一般的なアイテム方式となった。妖精オプションは『パノラマ』では常時シルク1人のみだったが、今回はアイタタ地蔵に捕まってる妖精を救う事で最大5人まで装備可能。ただしシルク以外の妖精は耐久値の概念があり、ダメージを受けすぎると離脱してしまう(*16)。 『パノラマ』の問題点だった敵、敵弾の視認性の悪さはそのままで、ウリのアニメもオープニング/エンディングとそれ以外で作画の出来の差が激しく(*17)評価は良いとは言えない。 他機種への移植については長らく行われてなかったが、ININ Gamesより現行機向けリマスター版が2024年春に発売予定と発表された(参照)。対応ハードはPS5/PS4/One/Switch/Win。 グラフィックが16 9のHD仕様にブラッシュアップが施されるほか、操作性にも改良が加えられる模様。 なお、セガのゲーム機では最後の作品。以降続編は長らく途絶える事となる。 AC/PS4/Switch/Win コットンロックンロール Superlative Night Dreams 30周年記念として製作された『レインボー』から21年ぶりの完全新作STG。従来の横スクロールに戻ったがボーナスステージは3D方式。開発はスタジオ最前線。 ロックンロールの由来は本作がシリーズ6作目(ろく→ロック)に当たるからと思われる。(*18)タイトルロゴにも背後に「6」の文字を象ったドラゴンが描かれている。 アーケードは2021年9月よりALL.Net P-ras MULTI バージョン3筐体にて先行配信。PS4とSwitch版は2021年12月23日に発売された。Win(Steam)版は遅れに遅れ2023年1月6日にようやく配信となった。また海外市場向けにexA-Arcadia基板でのリリースもされており、独自要素として2人同時プレイが可能になっている。 なお、コットンシリーズは『初代』以外いずれも当時は国内展開のみであったため、実に『初代』以来31年ぶりに海外版がリリースされたシリーズ完全新作となる。 キャラクターはコットンとアプリに加え隠しキャラの「タクート」、アーケード版アップデート追加キャラの「シルク」(*19)、サクセスの『サイヴァリア』『ザンファイン』をそれぞれイメージしたキャラクター「才波リア」と「ファイン」、スタジオ最前線の『海腹川背Fresh!』から「海腹川背」と『どきどきポヤッチオ』から「ルフィー」の8名が参戦。 各キャラクターで操作、システムがガラリと変わるのが特徴。7つのシステムが楽しめる。 ゲームバランスは初心者でもコツを掴めば手軽に稼ぎの爽快感が味わえ、更にエブリエクステンドかつ要求スコアが低め(*20)なおかげで残機も増えやすいと大味ではあるが爽快感に特化した調整となっている。詳しくは単独記事を参照。 余談 ネームエントリーは5人分表示されていて、初期状態では上から『BIG』『COT』『TON』『PAN』『TSU』となっている。つまり『ビッグコットンパンツ』である。 この小ネタは上記の『2』『ブーメラン』でも引き続き採用されている。 国内アーケード版ではタイトル画面にてタイトルロゴのサブタイトル部分が『FANTASIC NIGHT DREAMS』と誤表記されている。 アーケード海外版やX68000版、アストロシティミニ版以外の家庭用移植版では本来の『FANTASTIC』に修正されている。 アーケード版とPCエンジン版ではゲーム上のドット絵でのコットンの容姿がタイトル、デモシーンでの姿と比べて若干異なる部分がある。 青のローブを身に着けている点こそ同じだが、足のブーツが青色になっており、ローブにはフードらしきものが確認できる。 X68000版ではゲーム上のドット絵もタイトル、デモシーン準拠のデザインに修正されており、続編作ではこちらのデザインが基準となった。 『パロディウスだ!』と並んで、テレビ番組にて効果音が使用される事が多い作品である。 クリスタル 湯呑み回収音、ショットパワーアップ音、妖精突進時の効果音は「ゲームは知らなくても効果音は聞いた事ある」という人が多いかもしれない。 シリーズで登場する主要人物の名前は主に衣類の生地や裁縫用の道具が由来となっている。 2003年にまさかのパチンコ機として登場している。 同じく2003年には『マジカルパチンココットン パチンコ実機シミュレーション』としてビデオゲーム化もされている。 世界観は『レインボー』がベースだが、同作には元々居なかったアプリ ニードルが登場している。 ゲスト出演 2007年にサクセスからリリースされたシミュレーションゲーム『偽りの輪舞曲』にコットンがゲスト参戦している。 WILLOWを求めて本作の世界へやってくるも記憶喪失になった設定。なおシリーズ上では一貫してあくまで年齢不詳であるが、こちらでは13歳と明記されている。 2017年にはSteamで配信されている魔女っ娘STG『トラブル☆ウィッチーズ Origin!』にDLCキャラとしてゲスト参戦した。 異世界から同作の世界にやってきたという設定で、今回もWILLOW求めてシルクと共に珍道中を繰り広げている。楽曲も『コットン』仕様となり、ボス後のTEA TIMEも用意されている。 後にリリースされた『Origin!』をベースにした 『トラブル☆ウィッチーズ ふぁいなる! ~Episode 01 アマルガムの娘たち~』でも追加DLCで参戦が決定した。 『海腹川背Fresh!』『海腹川背 BaZooKa!!』ではコットンとアプリがゲスト参戦している。 2021年にSwitchおよびALL .Net P-ras MULTIで配信されているサクセスの落ち物パズル『かしおり』にコットンがゲスト参戦している。 ブロックの形がWILLOWに変わるファンサービス要素も。一方先発のSwitch版の対戦モードでは他のキャラが大抵4色の中で競うのに対し、こっちは7色で戦う事を強いられるドM超上級者向けキャラ。あまりに高難易度過ぎたためか、後発のAC版では4色(*21)に変更された。隠しコマンド入力(*22)でSwitch版準拠の7色にすることも可能。Switch版でもアップデートで持ち色変更が実装された。 ステージの背景よって使用キャラの服装が変わる演出がある(*23)のだが、シリーズ30年目で初めてコットンの水着姿を披露している。シルクも一緒にスク水姿になっているが、彼女は元の服装がアレなので…。 世界観の繋がりはないが『コットン』シリーズ30周年ロゴがつけられており、サクセス公式でも関連作として扱われている。